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「国民に聞いてみたい」と言い続ける効果

小泉純一郎のスピーチをアリストテレスで分析(その3)

  • 武部 恭枝

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2012年7月17日(火)

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 政治家のスピーチをアリストテレスで分析する試み。では次に、アリストテレスの二つ目の説得の方法、聴衆の心の状態(パトス)について考察してみよう。

説得その2.聴衆の心の状態(パトス)

「・・・(2)「聴き手を通して」というのは、言論に導かれて聴き手の心が或る感情を抱くようになる場合のことである。なぜなら、われわれは、苦しんでいる時と悦んでいる時とでは、或いはまた好意的である時と憎しみを抱いている時とでは、同じ状態で判定を下すとは言えないからである。」(戸塚七郎訳『弁論術』岩波文庫より抜粋)

 アリストテレスは、発言によって聞き手が心を動かされると、聞き手自身が説得の手段になると指摘している。聞き手の心を、話し手の言うことを受け入れるような気分に引き入れること、これが、パトスによる説得である。記者会見の言葉を聞いた国民の心は、小泉の主張を受け入れるように、果たして動いていったのであろうか。

直接国民に問いかけた小泉総理

 ここでも、会見で使われた言葉を拾い出してみよう。

「私は本当に国民の皆さんが、この郵政民営化は必要ないのか、国民の皆さんに聞いてみたいと思います。」
「郵政民営化に賛成してくれるのか、反対するのか、これをはっきりと国民の皆様に問いたいと思います。」
「今回、私は本当に国民に聞いてみたいと思います。」
「私は、今、国会で、郵政民営化は必要ないという結論を出されましたけれども、もう一度国民に聞いてみたいと思います。」
「この選挙で国民に聞いてみたいと思います。」
国民はどういう審判を下すか聞いてみたいと思います。」
国民はノーと言うのかイエスと言うのか。これを聞いてみたいと思いまして、衆議院を解散いたしました。」
「どっちが正しいのか。だから、国民に聞いてみる。」

 会見での発言を調べていくと、「国民」という言葉は20回、「国民に聞いてみたい」という表現は8回も繰り返されている。

 ただ、「国民に聞いてみたい」、というのは、選挙の時の常套句である。選挙になると、政治家は、「国民に問いたい」、とか、「国民の声を聞かせていただきたい」、と呼びかける。小泉の呼びかけは、それと同じだろうか。あるいは、よく耳にしている今までの呼びかけと、何か違いがあったのだろうか。

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