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原発だけでない、「インフラ輸出」の虚構

維持・管理を見据えたモデルに転換を

2012年7月3日(火)

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 今年も世間の耳目を集めた、東京電力の株主総会。出席した株主からは当然、昨年3月の福島第1原子力発電所事故の問題に対する追求が相次いだ。なおも東電は「国のエネルギー政策の中で原発は重要なエネルギー。電力の安定供給や環境保全、経済性からも有意義」(西澤俊夫・前社長)とのスタンスを崩していない。

 昨年3月以来、政府も同様の考えから、福島の事故後も従来通り、「原発輸出」に向けた取り組みを進めている。6月末には枝野幸男・経済産業相が、原発の売り先として内定しているベトナムを訪問し、計画実現に向けた取り組みを加速させることで同国閣僚と合意した。

 しかし、事故原因の究明も道半ばの中で、こうした政府の原発輸出に向けた姿勢に対しては批判の声も挙がっている。原発の有効性や安全性についての議論は別に置くとしても、事故原因の究明が終わっていない状態かつ、将来的に原発依存を減らしていくと打ち出ている中での原発輸出の考えには疑問を呈せざるを得ない。日本エネルギー経済研究所の田中伸男・特別顧問(前国際エネルギー機関・事務局長)は、「今後経済成長が進む新興国で原発は必要」としながらも、「日本は福島事故の反省を世界に説明する責任がある」と指摘している。

「胸を張ってお見せできない」と国交省幹部

 巨額のカネが動く原発を頂点に、インフラ輸出は現在の産業政策の要だ。電力、上下水道、道路、鉄道と、日本独自の高度な技術を海外に売り込み、新興国の経済成長が生む商機を取り込もうという目算がある。その方向性自体は間違いではないのだろう。

 しかし、こうした日本のインフラの全てが、世界に誇れる技術と言い切ってしまっていいものなのだろうか。中長期的な運用の安定性を考えた場合、懸念すべきインフラは原発だけに限らないのだ。むしろそれらは、懸念を超えて危機的な状況にあるとすら言える。

 「確かに胸を張ってお見せできない部分もある」

 ある国土交通省の幹部はこう漏らす。日経ビジネス6月11日号の特集「M7.3東京崩落 大震災インフラ腐食列島に迫る」でも指摘した通り、道路や橋梁、上下水道、港湾など、日本全国の多くのインフラは老朽化によって悲鳴を上げている。こうした事実を目の前にしても、諸外国に自信を持って技術を売り込めるのだろうか。インフラ管理を所管する国交省幹部の言葉には、そんな苦悩がにじむ。

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牛島 信 弁護士