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電力小売りの全面自由化、果実は新市場の創成

7月にも電力システム改革専門委が結論

2012年7月6日(金)

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 電力小売りの全面自由化を実施する答申の提出を、経済産業省の総合資源エネルギー調査会総合部会の電力システム改革専門委員会は議論の末に、5月18日に決めた。さらに現在、発送電分離に向けた議論も、同委員会では進めている。

電力小売りの全面自由化で何が変わるのか?

 全面自由化とは、これまで規制されていた一般家庭向けを含めた小口の電力小売り事業についても自由化し、開かれた市場になることを意味する。

 電力小売りの自由化は、これまでも進められてきたが、対象範囲が契約電力50キロワット以上の大口需要家向けにとどまり、一般家庭は対象外のままだった。また、これまでの電力卸売市場では、最小でも1000キロワット×30分という単位でしか、取引できない制度となっている。1000キロワットといえば、家庭の300軒分の電力に相当する。

 さらに、いわゆる「30分同時同量制度」により、30分間安定して電力を供給できなかった場合は、「インバランス料金」と呼ばれるペナルティが課せられる。つまり、こうした制度に対応できる十分に大きな供給能力を持たない限り、実質的に電力の売買には参加できない仕組みなのである。

 我が国では、電力会社による地域独占状態のビジネスモデルの中で、安定供給を理由に、電力会社の扱いやすい電力しか買わず、言うことを聞く事業者としか付き合わないという、そんな“大義名分”がまかり通っていた。安定供給を考えれば、ある意味、当然のことだったのかもしれない。しかし、その結果、いわゆる「新電力(PPS)」による取引量はごくわずかにとどまり、市場は活性化しなかった。新電力の市場は、現状で1.9%でしかない。

 こうした状況を変えるべく、全面自由化に先駆けて、6月18日には「分散型・グリーン売電市場」も創設された。これは、自家発電やコージェネレーション(熱電併給)システム、太陽光発電など分散型電源を対象に、1000キロワット未満の小口の余剰電力などが取引できる市場である。

 一方、議論を進めている全面自由化では、一般家庭向けの電力小売り事業への新規参入が認められる。家庭も電力を購入する会社を選べるようにしたり、家庭で発電した電力を売買することができるようにしたりすることを目指している。

 例えば、蓄電池を搭載した電気自動車(EV)などが普及すれば、事業所や家庭において、太陽光発電などで得た余剰電力をEVに充電し、それを買ってくれる場所まで移動して売ることができるようになる。買うのは、電力会社に限らない。スーパーマーケットやコンビニエンスストアがそうしたビジネスに参入してもいい。

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「電力小売りの全面自由化、果実は新市場の創成」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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