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メジャーリーグとプロ野球の差はコミッショナーの経営力の差にあった

優れた経営手腕を発揮した2人のコミッショナー

2012年7月5日(木)

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 前回は、放映権のリーグ一括管理、1業種1社に絞ってのリーグスポンサーの獲得などメジャーリーグの経済価値を拡大させているリーグビジネスの最新動向について紹介しました。

 現在、アメリカンリーグとナショナルリーグ合計で30チーム。これだけの数のチームがあれば利害関係はそれぞれに異なります。「あちらを立てればこちらが立たず」は世界中どこでも同じです。日本の倍以上のチームがあり、当然複雑な利害関係があると思われる状況の中、なぜメジャーリーグはリーグビジネスをダイナミックに展開できるのでしょうか。

 その疑問を解く鍵がリーグの頂点に立つコミッショナーの存在にあります。

 コミッショナーはオーナー会議によって選ばれるリーグの最高責任者です。選任に当たっては、全オーナーの4分の3の同意が必要です。基本の任期は3年間で、オーナーたちが合意すれば、任期の延長も可能です。

 一度選ばれたコミッショナーが任期中に解雇されることはまずありません。というのも、コミッショナーを解雇できるのは、コミッショナーの諮問機関(エグゼクティブ・カウンシル)だけで、この諮問機関のメンバーはコミッショナーが選ぶからです。具体的には、アメリカンリーグとナショナルリーグから4人ずつを指名し、30人のオーナーの過半数から承認を得て決まります。

 つまりコミッショナーは、選任された時点ですでにオーナーたちを上回る力を持つわけです。歴代のコミッショナーたちは、最高意思決定者としての強大な職務権限を背景に強烈なリーダーシップを発揮し、さまざまな施策を実行してきました。

 メジャーリーグでは現在まで9人がその役職に就いています。優れた経営者手腕を持つコミッショナーの在任期間に、リーグビジネスが拡大してきました。今回は歴代コミッショナーを順に紹介しながら、その中で特に2人の人物にフォーカスを当て、どのような経営手腕を発揮したのかを見てみましょう。

きっかけは全米を揺るがした八百長スキャンダル

 1919年のワールドシリーズでシカゴ・ホワイトソックスの主力選手が八百長に絡んでいたという「ブラックソックス事件」が起こり、全米を大きく揺るがすスキャンダルに発展して、メジャーリーグの信用は大きく失墜します。野球人気の低下を懸念したリーグは、それまでオーナーの合議制で運営してきた組織に各チームに対して中立で、野球全体の利益を最優先にして行動する(act in the best interest of baseball)意思決定機関を設けました。これがコミッショナー制度のスタートです。

 初代コミッショナーとなったのがケネソー・ランディス氏(在任期間:1920~1944、以下同)です。元イリノイ州の連邦地裁判事という経歴を持ち、ブッラックソックス事件に絡んだ選手を球界から永久追放にしたほか、自身の権限を提言や勧告を出す諮問機関ではなく、リーグ運営の最終意思決定者であると定義。リーグの利益を損なったチームに罰金を課す権利など、現在のコミッショナー制度の原型を築いたといわれています。

 次いで就任したのがアルバート・チャンドラー氏(1945~1951)。上院議員を務めた政治家で、在任中に選手の地位向上に奔走し、選手会結成や選手のための年金制度などを設立しました。

 3人目のコミショーナーは野球記者出身のフォード・フリック氏(1951~1965)です。ジャーナリスト出身のコミッショナーらしくメディア戦略を立案し、初めてラジオによる実況中継を実現させた人物です。

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「メジャーリーグとプロ野球の差はコミッショナーの経営力の差にあった」の著者

並木 裕太

並木 裕太(なみき・ゆうた)

フィールドマネージメント代表取締役

2000年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社後、最年少で役員に就任。2009年株式会社フィールドマネージメントを設立。日本一の社会人野球クラブチーム「東京バンバータ」の球団社長兼GMも務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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