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ゴーン氏が語ったグローバル化の条件

英語教育だけでは十分でない

  • 伊藤 正倫

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2012年7月9日(月)

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 6月19日。日産自動車のカルロス・ゴーン社長兼CEO(最高経営責任者)は横浜市の慶應義塾大学日吉キャンパスで、将来の日本を背負う人材となるであろう同大大学院経営管理研究科(ビジネススクール)の学生ら約500人を前に、グローバル企業のリーダーとしての心構えについて講演した。

 講演のテーマは「Global leadership and crisis management」(グローバルリーダーシップと危機管理経営)。ゴーン氏は昨年3月の東日本大震災を受けた日産の対応を引き合いに出しながら、リーダーに必要な条件として(1)客観的に状況を把握し、危機の原因を解析する、(2)これを踏まえて短期的な経営課題について優先順位を明確にしつつ、長期的な視点も忘れない、(3)危機克服に向けて現場に思い切って権限を委譲する、(4)リーダーが当事者意識を持ち、状況が厳しい現場に直接足を運ぶ、(5)危機から得た教訓を今後の経営に生かす、の大きく5つを挙げた。学生らは熱心に聞き入り、講演後にはゴーン氏への質問が後を絶たなかった。

 筆者はグローバルリーダーとは程遠いが、この講演で強く印象に残ったくだりがあった。「グローバルな存在になるためには何が必要か」という深遠な問に対するゴーン氏の見解だ。

 曰く。「グローバル化を恐れる人は、自らのアイデンティティーや文化に不安があるからだ。グローバル化している人や会社、国というのは、自分たちのルーツに自信を持っている。グローバル化とは、強いアイデンティティーと組み合わさることで成り立つ」。

アイデンティティーとは何か

 確認までに「アイデンティティー」の意味をある辞書で調べてみると、「自己が環境や時間の変化にかかわらず、連続する同一のものであること」とある。同様に、「ルーツ」とは「物事の根元、起源」だ。いずれにしても、自らの存在意義とも重なる揺るがない拠り所、信念のようなものと考えてよさそうだ。ゴーン氏は「どんなに(社会的に)成功しても、家族や身近な人と分かち合うのが一番うれしい」と明かす。

 筆者の理解では、グローバル化とは異質な言語や文化、そしてアイデンティティーを持つ人間が共生すること。だが、利害関係のあるビジネスの世界である限り、摩擦や対立は均質な社会よりも頻発し、その度合いも大きくなる。困難な局面が多くなるからこそ、勇気と忍耐力を支える揺るぎない自信の源として、アイデンティティーが必要ということだろう。自分のアイデンティティーを意識する機会が多くなることで、そのアイデンティティーはより大切なものとなる。

 日経ビジネスでは6月25日号で『「ニッポン」を売り込め 海外営業の先駆者に学ぶ』という特集を掲載した。筆者はこの特集の執筆に参加はしていないが、過去に取材した同様の先駆者たちを振り返ってみると、共通するのは類まれな強い意志だった。

 「日本で構築したビジネスモデルをタイでも根付かせてみせる」「気候・風土の違いから売れるわけがないと思われたインドネシアで自社商品を拡販する」など、自らの会社に対する自信や営業マンとしての意地が、それを支えているように感じた。当然、家族のために会社からのミッションをやり遂げるとの気概もあっただろう。揺るぎない会社や家族に対する信念は、アイデンティティーの重要な要素となる。

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