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メドベージェフの北方領土訪問は「意外」ではない

ロシアの姿勢は昔も今も強硬だ

  • 袴田 茂樹

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2012年7月9日(月)

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 ロシアのメドベージェフ首相が7月3日、国後島を訪問した。ロシア側は公式には、通常の国内視察であり、特別な政治的意味はないと説明している。しかし現地で同首相は、北方領土について「これは古来のロシアの土地だ。一寸たりとも渡さない」と、日本を意識したきわめて露骨な政治発言をした。また、日本人の神経を逆なでするのを承知で、「私はまた訪問するし、諸閣僚も続く」と挑戦的な言葉を述べた。

 メドベージェフ首相は、悪天候にもかかわらず、島に行くことに特別にこだわった。当初は択捉だった行き先を国後に変えてまで、2時間の訪問を強行した。つまり択捉でなくても、北方領土であればどこでもよかったのだ。これも、通常の国内視察ではなく、北方領土の政治性を特別に意識していた証である。

 日本に対してこれだけ強硬な姿勢を示した背景には、メドベージェフ首相の国内での支持率、特にナショナリストやシラビキ(軍、治安関係者)など保守層の支持を高める意図が当然ある。領土問題の解決に対する日本の期待値が高すぎるのを抑える意図もあろう。彼の強引な行動や発言は、日本の足元を見たからでもある。日本の政権はきわめて脆弱で、日本をコケにしても実質的反撃は何もできないと踏んでいるのだ。日本の政府が無力であることは、叩くにはきわめて好都合である。

 ここまで見くびられた以上、7月末に予定されている玄葉光一郎外相の訪露を中止か延期にするべきだ。抗議の意思を示す必要がある。言葉の上だけで不快感を示しても、何も行動が伴わないと、ロシアは内心で日本をますますバカにするようになるだろう。

プーチン首相の北方領土訪問はプーチン大統領も承知の上

 今年3月、プーチン大統領は柔道の「ハジメ!」「ヒキワケ」という用語を使用して、双方が妥協することで領土問題を解決するポーズを示した。それに対して日本の政治家、マスコミや専門家の多くが、プーチン大統領の「真剣さ」を信じて、領土問題解決と日露関係進展に大きな期待を抱いた。

 かつて外務省欧亜局長として対露政策を担った東郷和彦氏も、プーチン大統領の発言に次のような驚くべき反応をしている。「領土問題を解決し、経済関係を発展させ、日ロ関係を大きく動かしたいとの明確なシグナルをだした。もしこれからの1年ほどの間に、日本側がこのシグナルを見落とし、領土問題を解決することができないなら、わが国は千載一遇の機会を失することになる」(『アジア時報』毎日新聞社2012年6月号)

 プーチンのシグナルをきちんと解すれば、領土問題はこの1年で解決できるという見解は、それこそ、鳩山由紀夫氏ではないが「宇宙人」のように現実感覚を欠いている。

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