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かわいい新入社員には旅をさせよ

若手は新興国でこそ育つ

  • 飯山 辰之介

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2012年7月11日(水)

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 「日本にいたって、できることは限られている。とにかく海外に出て仕事をしてみたい」。

 私が就職活動に励んでいた6年前、就活仲間の1人はこう話していた。その後、彼はアジアでケーブルなどを販売している専門商社に就職し、今は日本と中国・アジア各国を往復する生活を送っている。まだ仕事の拠点は日本にあるが、いずれは中国に住んで仕事をする計画だという。

 近年は、こうした「すぐ海外勤務したい」と考える学生と「日本を離れたくない」と考える学生に2極化していると言われる。産業能率大学が2010年に発表した「第4回新入社員のグローバル意識調査」によれば新入社員に2人に1人が「海外で働きたい」と考えており、そのうち半数以上が「どんな国・地域でも働きたい」と考えているそうだ。

 人材大手リクルートの岡崎仁美リクナビ編集長は「海外勤務を志向する学生は仕事に対する意欲が高い」と言う。だが、現実に新入社員が入社後すぐに海外で仕事する機会は少ない。営業であれば、まず国内の現場に配属されて数年間、地道な顧客回りを担当しながら仕事を覚え、いずれ選抜された何人かが海外勤務に抜擢されるというパターンが中心だ。

 海外志向の新入社員がこうした「回り道」を嫌って職場を去るという事例もある。このような若手に対して「仕事のイロハも礼儀も学ばないうちから、ただ海外で仕事がしたいなどと抜かすのは生意気」だとか「身の程知らず」ととらえる方もいるかもしれない。

 だが、私は新興国に新入社員を数年単位で放り込む制度があっていいと考えている。というのも、こうした国々で市場開拓に奮闘する人々を取材する度に「日本にいるよりも、こちらの方が新入社員は育つのではないか」と感じるからだ。

新興国ならば業界の黎明期を追体験できる

 「ここで我々が日本型コンビニという新しい流通の形を広げていく」。2011年11月にコンビニエンスストア大手、ファミリーマートのベトナム現地法人を取材した際、同法人の菊川昌彦ゼネラルマネジャーがこう興奮気味に語ったのを覚えている。

 ベトナムはまだ日本ほど流通が発達していない。コンビニは一部外資系チェーンが進出しているが、緻密な商品展開や、かゆいところに手が届くサービスが売りの日本流コンビニは認知されていない。2009年に日本のコンビニチェーンとして初進出した同社は、店舗開発から物流センターの立ち上げ、卸との関係構築、従業員教育、そしてベトナム人に受け入れられる商品開発、棚割りまで、何から何まで一から構築していった。

 この地で奮闘する菊川氏の熱意にあふれたコメントは、単に成長著しい新興国の熱気に当てられたものではない。未開のフロンティアを前に、自らの力を頼りに新しい流通を開拓する仕事の価値と大きさに興奮しているのだ。

 例えば、この国に新入社員が1人でも配属されていたらどうだろうか。彼は菊川氏をはじめ、少数精鋭の日本人社員がゼロから日本流のコンビニを構築する様を目の当たりにすることになる。コンビニがコンビニとして成立するために何が必要なのか、誰とどんな交渉をすべきなのか、どうすれば従業員に日本流の接客を身に着けてもらえるのかなど、身をもって学ぶことができるだろう。

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