• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

“劇薬”のFITを“良薬”に変えられるか?

先駆けた企業ほど得をする制度にした「附則第7条」

2012年7月13日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 7月1日に、「再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度」、いわゆるFIT(フィード・イン・タリフ)が始まった。この制度を活用し、これまでエネルギー事業に全く関与していなかった企業までもが、すさまじい勢いでメガソーラー(大規模太陽光発電所)などの新エネルギー事業へ進出し始めている。

ドイツと同じ轍を踏むな

 FITは、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスといった再生可能エネルギーを用いて発電した電気を、電気事業者が一定期間において、決められた単価で全量を買い取ることを義務づける制度である。その買い取りにかかる費用は、電気事業者が、国民の電気料金に上乗せするかたちで徴収する。制度の枠組みとなる「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ法)」は、当時の菅直人首相が、エネルギー政策の転換を目指し、自身の首をかけて昨年8月26日に国会で成立させた。

 このFITは、再生可能エネルギーの大量導入を促すと同時に、普及拡大によって割高な発電コストを低減させるという目的の達成に即効性がある。反面、その副作用として大きな弊害をもたらすリスクのある“劇薬”でもある。

 FITの導入で先行するドイツでは、再生可能エネルギーの導入量が、当初の見込みよりも急速に拡大し過ぎたため、買い取りや系統電源の不安定化対策などにかかる費用が一気に膨れ上がり、制度の見直しが必要となった。その結果、2013年からは買い取り義務が全量ではなくし、2017年には制度自体を廃止することも検討されている。

 日本がドイツと同じ轍(てつ)を踏まぬためには、緻密な制度設計によって、“劇薬”であるFITを“良薬”へと変えなければならない。

 日本におけるFITのあり方を論じる前に、本制度が創設されるに至った経緯を少し振り返ってみたい。再エネ法案が閣議決定されたのは、あの東日本大震災が発生するまさに直前の2011年3月11日午前のことだった。

 閣議決定された法案は、総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会の買取制度小委員会が取りまとめた報告書がベースとなっている。わたしは同委員会の委員長として、報告書の取りまとめに携わった。と同時に、それまで再生可能エネルギーの導入に寄与してきた「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」の見直しなどを議論していたRPS法小委員会の委員長も務め、RPS法から再エネ法へ円滑に移行できるよう、調整してきた。

コメント0

「エネルギー革命の深層」のバックナンバー

一覧

「“劇薬”のFITを“良薬”に変えられるか?」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

意外なことに、伝統的な観光地が 訪日客の誘致に失敗するケースも 少なからず存在する。

高坂 晶子 日本総合研究所調査部主任研究員