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日本の未来を決める「3シナリオ」の修正部分とは

「ゼロシナリオ」では、省エネでない製品の販売制限も

2012年7月20日(金)

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 6月29日、内閣府に属する国会戦略室のエネルギー・環境会議は、「エネルギー・環境に関する選択肢」の3シナリオを提示した。7月6日には、主要全国紙の朝刊などに政府広報も掲載された。翌7日には、一般向けの情報サイト「話そう"エネルギーと環境のみらい"」も開設している。同月14日からは毎週末に全国11カ所で意見聴取会を開催するなどして国民的議論を経た後、1つのシナリオに絞り、8月中には「革新的エネルギー・環境戦略」が決定する。

原案に加えられた修正の意図

 この3シナリオのベースになっているのは、経済産業省の総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会が取りまとめた「エネルギーミックスの選択肢の原案について」である。わたしも、その委員の一人として議論に参加していた。

 とはいえ、国民に提示された選択肢は、基本問題委員会でとりまとめた案から、大きく修正された部分も多い。国民に提示するまでのプロセスにおいて、議論が二転三転したことがうかがえる。そうした修正にどのような背景があり、それぞれの選択肢にどのような意味が込められているのか。わたしなりの解説を加えておきたい。

 エネルギー・環境会議が示した2030年に向けた選択肢は、電源構成における原子力の比率が、それぞれ0%(ゼロシナリオ)、15%(15シナリオ)、20~25%(20~25シナリオ)という、3つのシナリオである。基本問題委員会による取りまとめでは、これに加えて、市場によって電源構成が決められるという案も挙げていたが、将来像をなかなかイメージしにくいという理由で、定量的な3シナリオに絞り込んだものと考える。

 各シナリオにおける核燃料サイクル政策についての内容も、基本問題委員会の原案とは少し異なっている。ゼロシナリオでは当然ながら、使用済み燃料を「直接処分する政策を採用」としている。それに対して、15シナリオと20~25シナリオでは、ともに「再処理・直接処分がありうる」とし、再処理と直接処分の併用を想定している。

 基本問題委員会が原案を取りまとめる段階では、15シナリオの場合、これから5年間程度は青森県六ヶ所村の再処理工場などに投資しながら進めていくとしていた。また、20~25シナリオの場合は、しばらくは核燃料サイクルによる再処理で対応していくことを想定していた。こうした内容は、国民に提示する段階では明記せず、15シナリオと20~25シナリオでは同一の説明となっている。おそらく、国民の負担金が明確になっていない段階なので、このような提示の仕方にとどめたものと思われる。

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「日本の未来を決める「3シナリオ」の修正部分とは」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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