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第6話 高額商品とトリック

  • 弓飾 丸資

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2012年8月6日(月)

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 訪問販売のセールスマンたちは、どうして短期間にこのような高額な商品を売ってしまえるのだろうか? 仮に『説明キャンペーン』と称してお客の家に上がり込んだとしても、そこからどうして高額商品を売る話に切り替えられるのか? 第一どうしてお客が納得して買う気になるものなのか? そこにどんなトリックが秘められているのか?

 疑問が尽きぬかと思うのだが、その疑問を「なーるほど!」とセールスマンにでもなった気持ちで納得いただける様、できる限りわかりやすく、臨場感をもって説明していきたい。

 まず、「我が社の外壁リフォーム担当の者が、商品の外壁材の説明をさせて頂きたいと申しております。説明をお聞き頂けないでしょうか?」から始まる契約までの道のりの1つひとつを、順を追って説明していこう。

 先に「アポマン」が訪問をする家庭の状況として、主婦が夫と子供を送り出した後の昼前のひと時をイメージしていただいた。仮にそんな状況下で、「こんにちは!外壁のリフォーム材買ってください」なんて笑顔でその主婦に告げたとしても、いや全国何処の街の主婦を訪ね歩いて同様のお願いをしたとしても、良くて『ガタッ、ピシャーン』とドァを閉められ「カエレーッ!」と叫ばれるか、悪ければ押し売りで警察沙汰になるのがオチだろう。

 その家庭にとって不急不用で、想像すらしていない何百万もするリフォームの話など、どうして取り合ってくれるものか。そんな高いハードルを超えるには、まず『商品説明キャンペーン』のトークを用いて、お客と話のできる距離をできるだけ詰めておかねば始まらない。この最初のハードルを含めて、契約に至るまでに立ちはだかる障害を、4人1組のセールスプランで乗り越えていくわけだが、その際に人間の『シュウセイ』を的確に捉えるポイント固めが重要になる。高い山の岩場を登る登山家が、ハーケンをコツコツと打ち込むのと同様、彼らもお客の心理のポイントを確実に押さえながら進んでいくのだ。

4項目27種の「耳にタコ」の情報集めと遵守すべき事項とは?

 先にも述べた通り、「アルミニウム合金の外壁材でのリフォーム商品のキャンペーンのために説明をお聞きください」の台詞は、単なるお客に接近するためだけの方便に過ぎない。言うまでもなく本心は契約に何とか漕ぎ着けたい、唯その一念のみである。ではお客に「商品説明をさせてください」一点張りだったものを、どうして販売へと移行させ契約に結びつけることができるのか?

 最初に説明しておかなければならないのは、先述した現地に到着時の車の中で、毎回クローザーがアポマンに言って聞かせる「耳にタコの注意事項」の中身だ。おそらく驚かれる読者も多いと思うが、これはこのセールスに限らず訪問販売の世界で常道のセオリーを多く含んでいる。何よりもこのセールスでクローザーがお客に商品説明をする端緒を開くことになり、その後、クローザーのお客宅への上がり込みから始まりセールス(商談)へとつなげる段階に不可欠な資料となる。読者諸賢には「よくもまあこんな事まで」と感心されるか、「誉められたものじゃねえ!」とお叱りになられるかは別にして、現実の訪問販売活動の真実を隠すこと無くお伝えしようと思う。

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