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国際人の「ノリ」「突っ込み」「視点」を身につけよう

特別対談・後編 米スタンフォード大学アジア太平洋研究所研究員 櫛田健児氏

  • 浜口 友一

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2012年7月25日(水)

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 日本人ビジネスパーソンもグローバル化を避けて通れない時代が来た。日本人と日本企業は変わることができるだろうか。そのような問題意識で、来日中の米スタンフォード大学研究員の櫛田健児氏と対談を行った。今回はその後編である。

 櫛田さんの専門領域はグローバルのIT(情報技術)業界における政治経済分析だ。市場のルール、規制といったものが業界のプレイヤーにどのように影響し、市場発展にどのような影響を与えるのかを研究されている。

 前編の最後の部分では、日本の製造業がアメリカを打ち負かした結果、逆にアメリカのホワイトカラーのレベルが格段に上がってしまい、特にグローバルなビジネスを設計するという面で日本人が大きく遅れをとっているという話が展開された。

 それを受けて今回の対談では、「グローバルで活躍できる日本人とはどのような人材なのか」という点で話を伺った。なぜ日本人が国際人として振る舞うことが苦手なのか、日本人としてインターナショナルスクールを卒業し、現在では米スタンフォード大学で活躍している櫛田氏の視点から、議論が展開される。

 欧米人、アジア人など他の国の人々と日本人のノリの違いなど、国際人である櫛田さんが実体験してきたグローバル人材に必要な要素が語られていく。この分野を目指す読者の方にとっては興味深い話の展開になるだろう。

グローバルで成功する人には「突っ込み力」がある

浜口:日本企業のグローバル化という話に移りますが、象徴的な事例として、楽天のような大企業が社内公用語を英語にしています。これはどういう変化を引き起こすと思われますか。

櫛田 健児(くしだ・けんじ)氏
1978年生まれ。米スタンフォード大学アジア太平洋研究所研究員。日本人の父、アメリカ人の母を持つ。著者に『バイカルチャーと日本人 英語力プラスαを探る』(中公新書ラクレ)、『OBトーク インターナショナルスクール入門』(扶桑社)など
(写真:丸毛透、以下すべて)

櫛田:まだどうなるかは分かりませんが、グローバルがだいぶ身近にはなりますよね。日本人同士で話す英語はおかしいという人もいますが、実はシンガポール人とか香港人が喋っている英語も文法はおかしいですし、主語は滅茶苦茶だったりするんです。でも通用している。日本人の英語でも全然かまわない。

浜口:しかし英語は話せてもコミュニケーションが成立しない場合がありますね。

櫛田:対応力というかノリが違うことに気づけるかどうかです。ステレオタイプには気をつけなければいけませんが、例えば典型的なユダヤ系の人の場合、どんどん喋ってくるので、話を切ってあげないとこちらが話せない。そして向こうも実は割り込みを求めている。それに早い段階で気づいて対応しなければいけないんです。そうしないと向こうが喋りっぱなし、こちらは聞きっぱなしで、どちらにとってもつまらない話し合いになってしまう。こちらがそう思うだけではなく、向こうもそう思います。

浜口:関西人と一緒で、ユダヤ人には突っ込んであげなければいけない。

櫛田:そうです(笑)。もちろんユダヤ系の人が全員そうではありませんし、ユダヤ系以外もこういうノリの人はいます。ポイントは、あるタイプの人たちのカルチャーにおいては割り込むのが悪いことではないということです。しかし、逆に、落ち着いたキャッチボール式の会話をする人の場合には割り込んだら失礼ですよね。国や地域、民族単位ではなく、個人にも差があるわけです。まずはこのようなパターンがいろいろあるということを理解することで対応力が鍛えられるわけです。

浜口:観察力が重要ということですね。アジア人にもインド系とか中国系とか韓国系とかあるけれども、私が見ていると特にIT業界では、インド系と中国系は結構アメリカ社会でも成功しています。いろいろなところで活躍してトップになっていたり、ベンチャーを起こして成功していたり。それに比べて日本人はあまり活躍できていない。その点についてはどこに原因があると思われますか。

櫛田:それについては面白い数字があります。アメリカ全土で新規企業の4割は移民が起こしている。シリコンバレーを見ると5割を超えている。その中で圧倒的に多いのがインド人、次に中国人。

浜口:人口比で言えばアメリカ人よりも実はインド人・中国人の方が活躍しているということですね。

櫛田:彼らの何が違うのかというと、昔で言えば母国に産業があまりないので、創業しようと思ったらアメリカで創業しなければいけなかった。それと、背負っているものが違って、彼らは移民になりたがっているという事情がありました。母国の風向きが変わるといろいろなものを失ってしまうので、アメリカに基盤を作ろうと必死になる。その点では、日本人駐在員とは必死さが違うわけです。

浜口:彼らはアメリカ人になろうとしてアメリカに来ている。日本人駐在員は別にアメリカ人になりたいとも、ならなければならないとも思っていない。そこに違いが生まれるわけですね。

櫛田:かつてはインドでも中国でもそのような状況を指して頭脳流出と言っていたのですが、今では「頭脳循環」になっており、状況は進化しています。アメリカ国籍を持っているインド人と飛行機で隣の席になったことがあります。彼の家族はシリコンバレーで暮らしていたのですが、インドに事業機会があるので、家族全員でインドに移ったと言っていました。インドで新しい機会を発見したら、今度はシリコンバレーの研究者やベンチャーキャピタリストとの繋がりを生かしてどんどんビジネスを伸ばしていくわけです。こうしてどんどん頭脳が循環していくのです。

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