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天然ガスシフトが分散型電源を推進

広域パイプラインの整備で競争を促す

2012年7月27日(金)

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 天然ガスは、燃焼時の二酸化炭素など温室効果ガスの排出量が、化石燃料の中で最も少なく、かつ産地が世界に広く分布しているため、地球温暖化対策とエネルギー安全保障の両面から注目されている。特に米国では、すでにその活用が急速に広がっている。前回解説した、国会戦略室のエネルギー・環境会議が提示し、現在、国民的議論が展開されている「エネルギー・環境に関する選択肢」の3シナリオにおいても、天然ガスシフトは温暖化対策の重要な手段として位置づけられている。

天然ガスシフトでの後れを取ってきた日本

 米国で天然ガス需要が急増している背景には、技術革新によって、頁岩(けつがん)層に埋蔵される天然ガスの一種「シェールガス」の増産が可能となったことが大きい。オバマ政権が打ち出していた「原子力ルネサンス」が、日本での原発事故を受けて、足踏み状態にある現在、次なる頼みの綱となるのが、天然ガスである。「シェールガス革命」と称して期待が集まり、実際に他の化石燃料からの転換が加速している。

 しかし、日本では天然ガスのこのような有効性を認識しつつも、これまであまり活用が進んでいなかった。その理由としては、石炭に比べて割高であるため、火力発電の燃料としては、天然ガスよりも石炭に依存する傾向が強いことが挙げられる。また、現状では、天然ガスのパイプラインが需要地ごとに分断されており、供給基盤の脆弱性も指摘されている。

 そこで、天然ガスシフトの促進を目指す、経済産業省の「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会」が発足した。東日本大震災以前の2010年7月のことだった。そして、わたしが、その座長を拝命した。

 同年6月に閣議決定されたばかりのエネルギー基本計画において、天然ガスは低炭素社会の早期実現に向けて重要なエネルギー源と位置づけられていた。そのため、産業部門における石炭や石油などからの燃料転換やコージェネレーション(熱電併給)システムの導入拡大などを促し、天然ガスシフトを促進させる対策が求められていた。

火力平均か全電源平均か、原単位で対立

 検討会で最大の難題であったのは、二酸化炭素の排出量削減の計算方法である。この難題に突き当たることは、会の発足前から目に見えていた。 

 削減できる排出量の計算で用いる原単位(単位発電量当たりの二酸化炭素排出量)として、火力平均(火力発電の平均値)を用いるか、あるいは全電源平均(全電源の平均値)を用いるか。いずれを採用するかで、解は全く異なる。例えば、環境性能を競い合う、ガス会社のコージェネシステムと、電力会社のヒートポンプ給湯器という、両者がそれぞれに扱う製品について見た場合、仮に火力平均を採用すればコージェネシステムに有利となり、電力会社にとっては面白くない。

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「天然ガスシフトが分散型電源を推進」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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