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JALの再生は「速い」のか?

【第3回】日本企業の変革と業績回復のスピードを抑える2つの壁

  • 名取 勝也

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2012年8月2日(木)

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【第2回】ジェネラル・カウンセルのつらい仕事から読む)

 日本のフラッグシップ・エアラインであった日本航空(JAL)が会社更生法の適用を申請したのは、2010年1月19日。負債総額は2兆3000億円を超えていた。

 その直前、私はあることでJAL法務担当役員と、(当然のことながら)JAL存続を前提としたやり取りをしていたのだが、その方は、会社更生法申請の可能性などをおくびにも出されずに自然に振る舞われておられた。直後にこのニュースを知って、その方の心中を察して大変申し訳なく思ったことを、今でもはっきりと記憶している。

 これだけの超大型会社更生案件であるから、正式に申請がなされるまでは一切の情報を外部に漏らすことは許されず、ましてや法務担当役員の立場からすれば、情報管理の最大限の徹底は、まさに最重要の使命だったはずだ。

問題は経営者の質なのか、社会の仕組みや制度なのか?

 そのJALが、2012年6月20日に、東証への再上場を申請した。9月中旬には、約2年7カ月ぶりに証券市場への復帰となると見られている。3000億円を超える公的資金を投入した企業再生支援機構には、これにより投入額の倍ほどの回収が見込まれることも話題となっている。2兆円を超える莫大な負債を抱えて経営破綻した巨大企業が、3年をまたずに再生し再上場を果たすことに、良い意味で驚いた人も多いのではないかと思う。

 ちなみに、当時外国人CEOとして話題となったカルロス・ゴーンが日産自動車の経営を再建させるために3年間を要したと言われているが、3年をまたずに再上場を果たすということは、日本においてはV字(スピード)回復と認識され称賛されたのではないであろうか。私自身も「JALは随分早く再生できたな、日本企業もやればできる(こんなに早く再建できる)んだな」というのが最初の印象だった。

 ただ、客室での応対など、実際の現場においては、JALの従業員の方々は常に質の高いサービスを提供し続けていたと私は感じており、サービスの質や顧客満足が低下した結果の破綻ではなかったと言えるのではないかと思う(もちろん異論もあるかとは思うが)。要するに、現場の社員たちはずっときちんと仕事をしてきたのだ。私は、当時も今も、まずはJAL便が取れないかを調べるし、可能な限りJALを利用している。

 破綻企業が2年半余りで再生することがスピード再建か否かについては、正確で詳細なデータに基づいて分析していないので、今回のJAL再生が(日本においては)速い再建だったと評価することは誤った前提に立つことかもしれない。今回と次回は、一般的に速度が遅いといわれている日本企業の業績回復・変革は、どこに問題があるのか、経営者の質にあるのか、社員の意識にあるのか、それとも社会の仕組み・制度などにあるのか、あるいは全く別のところにあるのか、ということをテーマとしてみたいと思う。

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