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電力業界解体に切り込む電気事業法改正へ

発送電分離の基本方針固まる

2012年8月3日(金)

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 7月14日に放映された、NHKスペシャル「激論!ニッポンのエネルギー」に、エネルギーの専門家として出演した。前々回の本コラムでも解説した「エネルギー・環境に関する選択肢」の3シナリオについて、さまざまな立場の専門家が、さまざまな視点から意見を交える生討論番組である。

原発比率の数値に込められた「意思」とは

 政府は、2030年の電源構成比における原子力の比率が、それぞれ0%、15%、20~25%とする「ゼロシナリオ」「15シナリオ」「20~25シナリオ」の3つの選択肢を提示している。番組の冒頭で実施された視聴者を対象とするモニター調査では、各シナリオの支持率が、次のような結果となった。ゼロシナリオが51%、15シナリオが30%、20~25シナリオが16%、「その他・わからない」が3%である。ゼロシナリオが半数以上を占め、随分と原発に対しての拒否反応があるものだという感想をもった。

 生討論後、番組の最後に再び各シナリオの支持率が集計された。すると結果は、ゼロシナリオが44%、15シナリオが35%、20~25シナリオが17%、その他・わからないが4%となった。冒頭の調査と比べて、ゼロシナリオが7ポイント減少し、対する他の2シナリオの合計は52%と半数を超えた。

 国民を代表する視聴者の方々も、各シナリオが意味する日本の未来像をきちんと理解すれば、やはり原発の完全放棄が非現実的であることが見えてくるのだという手ごたえを得た。経済産業省の総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会において、新たなエネルギー基本計画を議論する委員の一人として、国民一人ひとりに理解いただく活動を積極的に行っていかなければならないと再認識した次第である。

 政府が提示する3シナリオにおいて、原発比率が議論の中心に据えられているのは、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故を受け、それまでの原子力を基幹電源としてきたエネルギー政策の見直しが最重要課題とされたからである。ただし、原発比率の数値だけにとらわれてしまっては、進むべき道を誤ってしまう危険性がある。その数値の意味するところ、そこに込められた「意思」を正しく理解し、大きな視野を持って冷静に判断しなければならない。

 ゼロシナリオには、核と人類は共存せず、我が国が一刻も早く原発を放棄すべきという「意思」が込められている。その実現のために、省エネや再生可能エネルギー導入を強烈に推進することも意味しており、多大なコスト負担などが課される国民から、強固な信認を得る必要がある。

コメント4件コメント/レビュー

一連の自体で明らかになったのは、「日本政府および既存の電力会社には原子力を扱う能力がない」という事。遠い将来に核融合などを含めた核エネルギー復活を全面的に否定する必要まではないが、少なくとも既存の原子力についてはいったんゼロにすべき。(2012/08/08)

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「電力業界解体に切り込む電気事業法改正へ」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

一連の自体で明らかになったのは、「日本政府および既存の電力会社には原子力を扱う能力がない」という事。遠い将来に核融合などを含めた核エネルギー復活を全面的に否定する必要まではないが、少なくとも既存の原子力についてはいったんゼロにすべき。(2012/08/08)

核燃料サイクルについても持論をお聞かせ願いたい(2012/08/06)

エネルギー安全保障、また地球温暖化防止・低炭素社会実現の観点からも一定規模以上の原子力は不可欠。一度辞めてしまうと再開はほぼ100%不可能。送配電分離の目的がとり広域化で地域独占無しの全面自由化というが、この下で如何に供給義務を維持できるか、実際問題として非常に疑問。ビジネス機会多様化とうが、現体制の上でのクリームスキミングでしかないのでは。計画から開発に20年近く、数千億円規模かかる大規模電源が、自由化された市場の中で現実問題として設置できる社がどれだけいるのか、極めて不安。ドイツをすぐ例に出すが、地続きのフランス等に頼ることは、我が国は不可能。(韓国等との海底ケーブルは非現実的)(2012/08/06)

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