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2012年8月6日(月)

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LIBOR不正操作事件で、大手金融機関への世間の怒りは頂点に達しつつある。金融危機以来、巨大銀行解体を訴える筆者がバークレイズCEO辞任を読み解く。金融規制の強化を巡る対決はこれからが本番だが、重要なのは民主的世論だ。

 英大手銀行バークレイズのボブ・ダイヤモンド氏がCEO(最高経営責任者)を先日辞任した*1ことは、金融業界にとって転換点となるだろう。

 大銀行のCEOが辞任を余儀なくされることはこれまでにもあった。米シティグループのチャールズ・プリンス前CEOは2007年に、過剰にリスクを取って(こうした行為が2008年の金融危機を招いた)同社が大きな損失を被った責任から職を追われたし、スイスの金融大手UBSのオズワルド・グリューベル前CEOも昨年、23億ドル(約1800億円)もの巨額の不正取引を防げなかった責任を取り会社を去った。

*1=バークレイズ銀行は、6月27日に英金融監督当局である金融サービス機構(FSA)からLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)を不正操作していたとして2億9000万ポンド(約360億円)という過去最高の罰金を科された。このLIBOR不正操作事件に対する責任を取り、ダイヤモンド氏は7月3日にCEOを辞任した。同日、COO(最高執行責任者)も辞任、会長も同2日付で辞意を表明している

巨大組織ほど不正は起きやすい

 だが、ダイヤモンド氏はいわば絶頂期にいた銀行家だった。バークレイズは2008~09年の金融危機を政府からの支援なしで乗り切ったと言われていた。最近は個人向け金融商品の販売や銀行間取引金利の申告方法などで様々な不正が発覚していたとはいえ、ダイヤモンド氏はこうした問題とうまく距離を置いていた。

 報道によると、金融規制当局は当初、ダイヤモンド氏の責任を問わないつもりだったようだ。だが、銀行間取引金利の不正操作を巡る問題が大きな政治問題に発展し、ダイヤモンド氏が英国の中央銀行であるイングランド銀行に責任があると反撃に出た瞬間、彼の辞任は避けられないものになった。

 ダイヤモンド氏の転落から分かったことが3つある。

 第1に、政治的な反発は、非主流派の議員や無知な傍観者によるものではなかった。英国の全政党の重鎮が一斉にバークレイズの行為を非難した。特に、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)不正操作事件を巡っては、同行が組織ぐるみで不正申告をしていたことが明るみに出て、非難が集中した。(LIBORは、デリバティブ=金融派生商品=の価格設定を含め、世界中の金利の重要な指標となっている)。

 ジョージ・オズボーン英財務相は「通常のビジネスでは詐欺は犯罪だ。なぜ銀行業務ではそうでないのか」とまで発言。バークレイズで詐欺が行われたと示唆しており、これは英財務大臣として重大な申し立てである。

 世界中で大規模な金融スキャンダルが起こり始めて5年、我慢も限界に近づきつつある。米ニューヨーク・タイムズ紙のエドアルド・ポーター記者は、記事にこう書いている。

 「市場が大きければ、不正の規模もそれだけ大がかりになる。企業は大きくなるほど、バランスシートは複雑になり、それだけ不正を隠す余地も生じる。そして、政府の意思で潰せないほど大きくなった銀行には、どこよりも不正を働く誘因は大きくなる」

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