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「伊勢丹幻想」から脱せよ

バーゲン「後ろ倒し」で露呈した百貨店の実力

2012年8月7日(火)

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 「もう、伊勢丹と同じことをしても通用する時代じゃないということです」。

 ある百貨店幹部は淡々と、こう話した。

 この夏、百貨店や一部商業施設では夏のバーゲンが例年よりも約2週間程度、後ろ倒しされた。本紙7月30日号の時事深層「バーゲン後ろ倒しは成功か」でも紹介したが、三越伊勢丹ホールディングスが夏冬のバーゲンセールの「後ろ倒し」を決断したことがきっかけとなった。

 例年、百貨店業界では季節モノが最も売れる時期にバーゲンが始まっていた。だが季節モノの最盛期に安売りすれば、当然百貨店やアパレルメーカーの利益率は下がってしまう。これを是正し、不毛な安売り合戦から逃れることがその目的だった。

 バーゲン時期になるとサイズ、色、柄の欠品も出てくる。バーゲンを後ろ倒しさせることで、消費者には最盛期に欠品を気にせず買い物を楽しんでもらいたい。こんな狙いもあったという。

 この提唱に一部の百貨店や商業施設、アパレルメーカーが賛同し、今夏のバーゲンセールは7月半ばからスタートするケースと、例年通り6月末か7月頭に始めるケースに分かれた。三越伊勢丹ホールディングスだけが完全に後ろ倒しして7月13日からバーゲンを開始。大丸松坂屋百貨店は例年通り6月末から始め、高島屋とそごう・西武は、バーゲンを2段階に分けている。

 その結果はどうだったのか。8月2日、各社の2012年7月の売上高は下の通りとなった。

三越伊勢丹ホールディングス ▲2.6%
大丸松坂屋百貨店 ▲1.5%
高島屋 ▲3.1%
そごう・西武 ▲3.1%
(いずれも前年同月比、▲はマイナス)

 関東に旗艦店を置く大手百貨店は軒並み前年割れしている。「後ろ倒し」施策は決して成功したとは言えそうにない。

 「店舗や売り場ごとにバーゲン開始の時期が違ったため、来店客の買い回りを促すことができなかった」「開始時期が曖昧になって混乱を招いた」「1回のバーゲンで2度も店に足を運んでくれる来店客はそんなにいませんよ」

 百貨店関係者に取材をすると、失敗した理由が次々に挙がってくる。その中でも特に印象に残ったのが、冒頭の言葉だった。

 「もう、伊勢丹と同じことをしても通用する時代ではない」――。

東日本旅客鉄道子会社の駅ビル「ルミネ」もバーゲン開始を後ろ倒しした

コメント7件コメント/レビュー

セールに限らず、伊勢丹幻想自体が関東の一部業者だけの妄想だったということでしょう?生まれてから半世紀近く大阪に住んでいますが、大阪でそういう表現を聞いた記憶がありません。だいたい、日本初上陸ブランドが近畿(大阪、京都)というものもいくつかありましたよね。●そもそも大阪ではショボいクチで、いくつも店舗閉鎖した三越と合併する組織が業界代表とは思えません。実際、大改装したJR大阪駅直結ビル(梅田店)を見れば、あの社を他社が見習う理由も判りません。(2012/08/07)

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「「伊勢丹幻想」から脱せよ」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

セールに限らず、伊勢丹幻想自体が関東の一部業者だけの妄想だったということでしょう?生まれてから半世紀近く大阪に住んでいますが、大阪でそういう表現を聞いた記憶がありません。だいたい、日本初上陸ブランドが近畿(大阪、京都)というものもいくつかありましたよね。●そもそも大阪ではショボいクチで、いくつも店舗閉鎖した三越と合併する組織が業界代表とは思えません。実際、大改装したJR大阪駅直結ビル(梅田店)を見れば、あの社を他社が見習う理由も判りません。(2012/08/07)

残念ながら、それならどうすれば良いかという示唆はない。伊勢丹の問題意識は当然だと思う。なぜに利益を犠牲にして最需要期に安売りをしなければならないか。しかしこれは消費者の立場からは、安売りしても利益が確保できる商品しか並べていないのではないかという疑念に通ずる。安さが魅力のアウトレットモールでも、最近はそれ用に作られた商品が並ぶと聞く。そんな商売をしていたらいずれソッポを向かれることだろう。価値あるモノは相応の価格でしか売らないし買えない、業界全般にここがガマンのし処だと思うのだが。(2012/08/07)

昨対割れが伊勢丹三越よりも大きかったタカシマヤ、西武そごうはバーゲンを後ろにずらしてませんよね。伊勢丹の後追いを、、という論旨と全然事実は違いますよね。むしろ注目すべきは伊勢丹三越が後ろ倒しにしても昨対割れのペースでは昨年までと大してトレンドを変えることができず、一方でプロパー販売の比率があがって利益率改善しているところではないでしょうか。(2012/08/07)

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