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米住宅バブル崩壊が深刻な金融危機に発展した理由

第2回講義:第2次大戦後のFRB その4

  • ベン・バーナンキ

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2012年8月10日(金)

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 (住宅バブルの崩壊が、ドット・コム・バブル崩壊の時以上に深刻な景気後退を招くことになったのは、民間部門に脆弱性の問題があっただけでなく、)公的部門も深刻な「脆弱性」の問題を抱えていたことがあります。

 第1に、金融規制の構造には何度も変更が重ねられていましたが、1930年代に起きた大恐慌の最中あるいはその後に構築された構造から基本的には変わっていませんでした。特に金融システムの構造の変化には追いついていなかったのです。

 この問題点の1つは、重要な金融機関の多くが、いかなる金融規制当局の本格的かつ包括的な監督も受けていなかったことでした。その最たる例が米保険最大手のAIGでした。保険の規制当局は、主に同社が販売している保険商品の監視を行っていた。米貯蓄金融機関監督局は、主に彼らの傘下にある小規模な貯蓄銀行を監督していました。しかし、前述のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)に関する問題については、誰も入念な監視を行っていませんでした。

投資銀行に対する監督機関もなかった

 もう1つ、あまり監督を受けていなかったのが米リーマン・ブラザーズや米ベア・スターンズ、米メリルリンチといった投資銀行でした。投資銀行に対する法的監督機関はなかったのです。彼らは自発的に監督を受けることで米証券取引委員会(SEC)と合意していましたが、包括的な監督は行われていませんでした。

 あと、米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)のような政府機関についても話さなければなりません。これらの機関には監督機関があり、規制当局も存在していましたが、今から説明する理由によって、監督は極めて不十分でした。つまり、それぞれの規制に抜け穴が多くあった。また、危機で重要な役割を果たした他の企業についても十分な監督は行われていなかったのです。

 また、法律によって規制と監督することが決められ、規制・監督を行う必要があったにもかかわらず、しばしば十分には規制・監督は行われなかったのです。このことは政府系機関全般及び一部の政府機関について言えますが、私はFRB(米連邦準備理事会)議長なのでFRBについて話をします。FRBは監督と規制において間違いを犯しました。この中で2点を指摘したいと思います。

 1つは、「銀行及び銀行持ち株会社に対する監督」です。リスクの測定という問題に対して十分に強い姿勢で臨まなかった。さっき(第2回その3の「民間部門も公的部門も『脆弱性』を抱えていた」を参照)も話したように、多くの銀行は、自分たちが取ろうとしているリスクを徹底的に理解する能力を持ち合わせていませんでした。監督当局はそうした能力を備えさせるべく強い姿勢で臨み、それができなければ、そのようなリスクポジションを取る能力を制限すべきだったのです。

 この点について、FRBも他の銀行監督当局も十分に強い姿勢で臨んだとは言えず、このことが深刻な問題を引き起こしたことは明らかです。

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