• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

このようにして金融システム全体に危機がばらまかれた

第3回 金融危機に対するFRBの対応 その1

  • ベン・バーナンキ

バックナンバー

2012年8月20日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 こんにちは皆さん、出席ありがとう。今日は金融危機に対する米連邦準備理事会(FRB)の対応について話します。過去2回の講義では、今回の講義のテーマである中央銀行の最も重要な2つの使命、すなわち「金融の安定」と「経済の安定」について話しました。本日はこれを少し別の角度から取り上げて、FRBがその使命を達成するために使用する2つの主な「手段」について説明します。

 「金融の安定」を図るために中央銀行が使用する主要な手段は、「最後の貸し手」としての権限で、中央銀行は資金調達能力を失った金融機関に対して短期資金を供給することによって、この権限を遂行します。中央銀行は、過去数世紀にわたって実証してきたように、こうして金融パニックの沈静化に大きな役割を果たすことができます。一方、「経済の安定」を図るために使用する最大の手段は「金融政策」で、通常は、短期金利の水準を調整するといったことを行います。

 本日の講義では、直近の金融危機で最も深刻な局面となった2008~09年の状況に焦点を当てます。つまり、「最後の貸し手」としての中央銀行の機能に焦点を当て、話を進めます。「金融政策」については、「危機の余波と回復」と題する最後の講義で改めて取り上げます。

民間部門と公的部門の抱えていた「脆弱性」が金融危機へと発展させた

 前回の講義を簡単に振り返ると、金融システムが「脆弱性(vulnerabilities)」を有していたがゆえに、単なる住宅価格の下落で終わるはずだった事態が深刻な危機に変容したと説明しました。住宅価格の下落自体は、(2000~2001年にかけての)ドット・コム・バブル崩壊がもたらした危機以上の脅威ではなかったと思いますが、金融システムが脆弱性を抱えていたことが、住宅価格の下落を極めて深刻な危機へと変えてしまったのです。

 前回の講義では民間部門が抱えていた「脆弱性」について述べました。その一例として、「グレートモデレーション(超安定化 The Great Moderation)」の時代の後遺症として、民間部門で過剰に債務が積み上がってしまったことを挙げました。

 重要なポイントは、銀行が自らのリスクを監視・管理する能力を持ち合わせていなかったことです。その結果、銀行は短期資金への依存を過度に強め、19世紀の銀行と同様、「もし短期資金が引き揚げられれば取りつけ騒ぎが発生する」という事態に陥っていました。さらに、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などの特殊な金融商品を多用した結果、特定の企業や特定の市場にリスクが集中していました。以上が当時の民間部門が置かれていた状況です。

*CDSは、企業が倒産して、出したお金が返ってこなくなる可能性に備えた保険のような金融商品で、デリバティブの一種

金融危機が発生する以前から民間部門の金融システムが様々な「脆弱性」を抱えていたことが、住宅バブル崩壊を深刻な金融危機へと至らせることになった

コメント0

「さあ、バーナンキ議長の講義を聞こう!」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人は何か自信を持って誇れるものを持っているはずです。

為末 大 元プロ陸上選手