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電力自由化・発送電分離によくある「勘違い」を解く

高橋洋・富士通総研経済研究所主任研究員に聞く

  • 山岡 淳一郎

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2012年8月16日(木)

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 いま、日本の電力供給体制は、歴史的に三度目の転換期に入っている。転換の軸は「電力自由化」「発送電分離」だ。

 日本に電力産業が誕生してほぼ130年。草創期から民間電力会社の自由競争の時代が続いたが、1930年代、軍部と連携した革新官僚の策動で、電力事業は国家管理に移された。「日本発送電(日発)」という特殊法人が、発電、送電を独占。戦争のためにあらゆる物資、人、産業を統制し、動員する「国家総動員体制」が敷かれた。これが最初の転換だった。

 しかし、戦争に敗れて国家が破たん。日本を占領統治したGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、日発の解体を政府に命じる。独占企業体の日発は政治家、官僚に深く食い込み、抵抗した。これに対して「電力の鬼」と呼ばれた民間電力の雄、松永安左エ門がGHQと組んで「9電力分割」による民営化案をつくり、国会に提出。だが、日発に抱き込まれた国会議員は動かず、審議未了で、あわや廃案に……。

 そこでGHQは、超法規的な「ポツダム政令」を出し、日発は9電力会社に分割される。そのエリア内で各社が発電、送配電をそれぞれ牛耳る地域独占体制が確立した。これが二度目の大転換であった。

電力供給は、ふたたび独占から分割へ

 そして、現在、東電福島原発事故を契機に東京電力が実質国有化された一方で、「電力自由化」「発送電分離」が急ピッチで進められようとしている。経産省は、「電力システム改革の基本方針」を示し、家庭用も含めて電力販売を自由化、発電部門と送配電部門を切り離す案を固めた。来年の通常国会に電気事業法の改正案を出し、2014年以降、発送電分離を実現する考えだ。電気料金も市場競争に委ね、従来のコスト計算を前提にした「総括原価方式」はやめるという。

 この三度目の転換は、地域独占体制の解体、細分化されたエリアでの自律分散型の電力システムと、地域に根ざした再生可能エネルギーの導入を進めると期待される。反面、大きな新規参入がなければ実態的な地域独占は続き、自由化された電気料金が高騰する懸念もある。自由化はもろ刃の剣だ。

『電力改革の見取り図・2012夏』

 自由化の実態、メリットと問題点を知るために、総合資源エネルギー調査会の電力システム改革専門委員会(見取り図E)委員で電力自由化、発送電分離の議論をリードする高橋洋・富士通総研経済研究所主任研究員に話を聞いた。高橋氏は、基本問題委員会(同図D)の委員も兼務し、電源のベストミックスの選択肢づくりにも加わっている。まずは、発送電分離への「先入観」と実像のズレから対話を始めよう。

 

山岡:電力自由化による発送電分離と聞いて、多くの人が、発電も、送配電も、販売も全部バラバラにして市場原理に委ねること、と受け取りがちですが、そうではないですね。

高橋:はい。そこを勘違いされている方が多いです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官