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恐慌以来、初めて連邦準備法13条3項を発動

第3回 金融危機に対するFRBの対応 その3

  • ベン・バーナンキ

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2012年8月22日(水)

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 さて、米連邦準備理事会(FRB)には「割引窓口(discount window)」という機能があります。この機能を通じて、例えば1日の業務の終わりに資金不足が判明した銀行などに、FRBは通常業務として短期資金を供給しています。こうした立場にある銀行は、翌日物資金を借り入れたいと考えます。銀行はFRBに担保を差し入れ、その担保に基づいて、銀行は「公定歩合(discount rate)」と呼ばれる金利で翌日物資金を借り入れることができます。「公定歩合」とはFRBが課す金利です。

 FRBが銀行に貸し出しを行う機能を担う「割引窓口」は常に開かれています。(金融危機発生)当時も、銀行に貸し出しを行うための特別な措置は必要ありませんでした。FRBは常に銀行に貸し出しを行っているからです。しかし我々は、信用供与について銀行を安心させるため、この制度に若干修正を加えました。

 金融システムにさらに資金を注入するために、「割引窓口」を通して行う貸し出しの満期を延長したのです。「割引窓口」を通じて行う貸し出しの満期は通常は1日です。この貸出の満期を長くして、割引窓口貸出については入札方式にしました。つまり、借り入れを希望する企業は、(FRBが貸し出すと提示した)その資金に対して金利をどれだけ負担する用意があるかを示し、入札するわけです。こうした措置を取った理由は、一定規模の資金を入札にかけることによって、金融システムに少なくとも確実に多額の資金を投入できると考えたからです。

 とにかく「最後の貸し手」としての機能を果たすため割引窓口は開いているので、この機能を積極的に活用して、「銀行」が確実に資金にアクセスできるようにし、パニックを鎮めようとしたのです。

「最後の貸し手」として銀行ではない金融機関にも資金を供給

 しかし、FRBが創設された1913年当時と比較して、金融システムははるかに複雑になっています。市場には現在、銀行以外に様々な金融機関が存在しています。前も話したように、危機自体は昔からの「銀行危機」と同様のものでしたが、もはや金融システム自体が従来とは全く異なる複雑な制度に変質していたため、従来とは異なる様々な企業や機関を巻き込んでいったのです。

 このため、FRBは「割引窓口」以外の手段が必要でした。つまり、従来とは別の対策を用意して特別な流動性や信用枠を設定し、(銀行とは)別の種類の金融機関に貸し出しを行うことが必要だったのです。「バジョットの原則」にあるように、資金調達の道を閉ざされた企業に資金を提供することこそ、パニックを鎮圧する最善の方法だからです。

 銀行以外の金融機関に貸し出しを実施するにあたっても、もちろんすべて担保を取りました。納税者のお金をリスクにさらしたりはしません。この点は後で詳しく説明します。とにかく、金融システムの安定性を強化すべく、銀行だけでなく金融システムに幅広く資金を注入することで信用の流れを再開させました。

 強調しておきたいのは、これは中央銀行が何百年も前から実施してきた「最後の貸し手」としての伝統的な機能です。違ったのは、対象が伝統的な銀行だけでなく、様々な金融機関をも対象に行われたという事実です。

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