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「マイルドセブン」が消える意味

JT、「聖域なきグローバル化」の決意

2012年8月20日(月)

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 「現状に甘えるのは堕落、不作為の罪だ」

 温和な人柄で知られる日本たばこ産業(JT)の小泉光臣社長の口から、突如厳しい言葉が飛び出した。

 JTは8月1日、基幹商品「マイルドセブン」のブランド刷新を発表した。来年から国内外でマイルドセブンの名称を新たに「MEVIUS(メビウス)」に切り替える。冒頭の発言は、その発表会見の最中、記者から「長年親しまれて定着したマイルドセブンブランドを廃止する必要はないのではないか?」との問いに対する答えだ。

 1977年に発売されたマイルドセブンシリーズは、翌78年にはブランド別で国内トップシェアに躍り出た。まさにJTの主力中の主力商品で、現在もお膝元の日本国内で販売されるたばこのおよそ3本に1本はマイルドセブンという高いシェアを誇る。ロシアや台湾など海外も含めれば年間で765億本が販売され、国内だけで年1兆円を売り上げる。それをあえて一から建て直すことは、顧客離れといった多大なリスクを伴うことは、言うに及ばない。

「マイルドセブン」は30年以上にわたり、消費者に愛されてきた

 この屋台骨ブランドの刷新構想が浮上したのはおよそ2年前。当時、たばこ事業本部長だった小泉社長は、社内に極秘のプロジェクトチームを立ち上げた。その狙いは、海外展開のさらなる加速のため、どういった戦略オプションがありうるのかを模索させるためのものだ。プロジェクトチームにはJT本体だけでなく、海外事業を担当する子会社のJTインターナショナル(旧RJRインターナショナル)の社員も加わった。

「一切のタブーを取り払ってよし」

 プロジェクトチームに指令が下った。「一切のタブーを取り払って検討してよい」。その中で、浮上した案がマイルドセブンの名称変更だった。そもそも、マイルドセブンは欧州などにおけるたばこへの表示規制で、「マイルド」という単語が健康被害の少なさを想起させるとの理由から、一部の国・地域で販売できないという背景もあった。

 およそ160の候補の中から選ばれたのがメビウスだった。国内外の事前の大規模な消費者への調査によると、ブランドイメージはマイルドセブンよりも高評価だったという。

 とは言え、長年をかけて築き上げた基幹ブランドを刷新するのは企業活動の中では極めてまれな事例だろう。JTの背中を押し、冒頭の小泉社長の強い言葉の背景にあったのは、海外展開への飽くなき志向だ。

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