本稿第1回で、偏差値型から探究型へのパラダイムシフトについて述べた。今回はこの転換を促進するために私自身が実施してきた、そして今後も続ける探究実践についてご紹介したい。
偏差値型の限界
これまでの偏差値型はどのような人材を生み出したのだろうか? ぺーパーテストで子どもを序列化し、勝ち組負け組を作る。得意科目、苦手科目が出来る。塾や予備校に通い、受験に通るとほっとしてモチベーションが下がる。
この結果、外から与えられた目標に対してはまじめにがんばるが、自分から主体的に課題を発見、解決する力は身についていない人材が大量に排出されている。
高度成長時代はこれで良かったのだろう。就職にも苦労しないし、上から与えられた目標に向かって突っ走っていれば待遇も上がり、そこそこ満足の出来る生活が得られた。
しかし先行きや正解の見えない時代となり、グローバルにコミュニケーションしながら課題を発見・解決することがより求められる現在では、偏差値型では十分でない。
ではどうすればよいのか?
学力や意欲が低下しているとか、ゆとり教育は失敗したとか、批判ばかりしていても何も良くならない。我々は子どもの可能性を引き出し、これからの時代で活躍できるための支援を行わなければならない。
偏差値、競争を好まないデンマーク
私が探究型の考え方のヒントを得たのが、コンサルティング会社勤務時代、32-34歳の時に住んだデンマークでの経験であった。
デンマーク人は、人と自分を比較せず。上下関係もあまり気にしない。自己紹介をするときは、名前と何が好きか、どんなことに取り組んでいるかを話すが、年齢や学歴、勤務先の話はまずしない。
デンマーク人の原動力は、人との競争や偏差値ではなく、「自分が何をやりたいか?」にある。言い換えると、外から与えられた目標ではなく、自分自身から湧きおこってくる内発的な動機で動いており、これは力強く、誰にも止められない。
わかりやすい例で言えば、「ご飯を作って人に食べて喜んでもらうのが好き」ならば料理人になればよい。「あなたは学校の成績がよいから医者になったら?」などとは誰も言わない。そもそも小中学校でテストを行って序列化することは法律で禁止されている。序列化によって自信を失ってしまう子供が出るなど弊害が多いことがわかっているである。
私の娘もデンマークの幼稚園に2年間通い、消極的な性格であったが「観察力が素晴らしい」と認められ、自信をつけた。その後親が「勉強しなさい」など一切指示する必要はなく、勉強、スポーツ、音楽、など自分でやりたいことは全て自分で進める探究型の生き方でのびのび育ち、今年大学を卒業したところである。

Facebook messenger
Pocket
Yammer