• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

原発依存ゼロシナリオの「盲点」を話そう

豊田正和・日本エネルギー経済研究所理事長に聞く

  • 山岡 淳一郎

バックナンバー

2012年8月27日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 政府の「エネルギー・環境会議」が「国民的議論」を呼びかけた2030年の電源構成に関する意見聴取会、討論型世論調査、パブリックコメントの受付などが、終わった。

 現在、政府は専門家を交えて、国民的議論で集まった意見を政策決定にどう生かすか話し合っているという。順序が逆だろうと言いたくもなるが、原発依存度を基準にした3つの選択肢、1:ゼロシナリオ、2:15%シナリオ、3:20~25%シナリオのうち、多数が支持をしたのは「依存度ゼロ」のシナリオだった。

 民意は大切だ。理想を語るのは心地よくもある。しかし、本当にゼロにしようとするなら「どのようにして」という方法論を避けては通れない。具体的な方法を考えるには、ゼロシナリオとは対極の意見にも耳を傾ける必要があるのではないか。

そこで、「原発は維持すべき」と説く論客、豊田正和氏にインタビューをした。豊田氏は、一般財団法人日本エネルギー経済研究所の理事長。政府の総合資源エネルギー調査会・基本問題委員会(下の見取り図のD)の委員も務めている。

『電力改革の見取り図・2012夏』

画像クリックで拡大表示

山岡:3つの選択肢で、妥当だと思われるのはどれでしょうか。

豊田:選択肢3、20~25%シナリオを私は支持しています。出発点は日本のエネルギー自給率が4%しかないという現実です。

豊田正和(とよだ・まさかず)1949年東京都出身。東京大学法学部卒業。プリンストンMPA修士。1973年通商産業省入省、2006年通商政策局長、2007年経済産業審議官。現在日本エネルギー経済研究所理事長。(撮影:大槻純一 以下同)

 日本は、主要国の中でも極端なエネルギー小国なので、総合的視点で化石エネルギー、再生エネルギー、原子力と多様な電源をバランスよく使っていくしかない、と考えています。細かく申し上げれば、この問題を考える際のパラメーターは「3E」と「S」の4つです。エネルギー安全保障(Energy Security)、エンバイロメント(Environment)、つまり環境・地球温暖化。エフィシェンシー(Efficiency)はコストのことで、「3E」。「S」は安全(Safety)。電源のベストミックスの検討は、これらの関数から成る複雑な連立方程式を解く作業なのです。

山岡:現時点で、エネルギー安全保障、コスト、環境、安全、すべてを満たしているエネルギー源はないですね。

「やめる」技術を維持することはできない

豊田:はい。再生エネルギーは国内のものですからエネルギー安全保障に貢献するし、二酸化炭素も出ませんから環境にもいい。設備機器が壊れることはあるでしょうが、安全性でも基本的には問題はないでしょう。しかしコストが高いのは厳然たる事実です。しかも、欧米の太陽パネル市場は、中国製品に席巻されている。

 化石燃料の石油や天然ガスは、海外依存度が高く、エネルギー安全保障上は問題があります。コストも上昇中です。温暖化の懸念もつきまとう。しかし、使いやすさの「Convenience」という面がある。おかげで、火力発電所をどんどん稼動させて急場をしのげる。

 原子力は「3E」では優等生に近い。今回、コストが見直されましたが、基本的にはまだ低い。問題は「S」の安全性。安全神話が崩壊したといわれますが、そもそも絶対的な安全というものはない。どうリスクを低減していくか、どう放射線被害を回避するか、ガバナンスの問題だと思います。

 そう考えると、完璧な電源はないわけですから、三つをバランスよく使ったほうがいい。原子力反対の方も、廃炉に40年もかかるのだから原子力技術は必要だ、とおっしゃいます。しかし、やめると決めて技術を維持するのは不可能です。

 国際的に見て、現在、アジアには40基程度の原発がありますが、あと20年で4~6倍に増える見通しです。増えて心配だと言うのではなく、むしろ福島の事故を奇貨として安全技術を開発・進化させて洗練されたものを国際的に共有すること。それを韓国や中国、インド、あるいはベトナムも期待しているのではないでしょうか。

コメント23件コメント/レビュー

推進派の理屈は実にくだらないということを見てもらうため、是非読むべきとしたが、おかしな点をいくつか指摘しよう。1.やめる技術は維持できないというが、日本で維持しなくても、フランスなどにあるだろう?それでも日本で維持が必要なら、比較的安全性の高い原発を国の費用で1つだけ動かせばよく、沢山再稼動する必要はない。この際、原発輸出で儲けようというスケベ心は捨てるべき。2.再生エネルギーの利用率を低く見積もっていないか?太陽光や風力だけでなく、ガスコンバインド、水力、地熱、波潮力、蓄電、トリウム溶融塩、省エネ技術などまだまだ技術開発の余地がある。太陽電池にしても無駄なバラマキをやめて全戸に即取り付け、徐々に費用回収したらよい。3.化石燃料は安全保障上やコストの問題があるというが、シェールガスやメタンハイドレードの開発により対応可能だ。なぜ2030年か不明だが、まだ18年もあるではないか?4.廃棄物は全世界の知恵を結集すれば解決できるようなことを言っているが、どれだけ時間がかかると思っているのか?とにかく、地震国日本で10万年安全な保管場所は絶対にない。5.電力産業は国営になじまないというが、水力火力だけのときは民営で良いが、原子力は民間では責任が取れないことが福島でわかったろう。いずれにしても、大天変地異がいつ起こるか誰にもわからないが、ヒマラヤで貝の化石が見つかっている事実は想定外でもなんでもない。それに耐えうる原発は絶対になく、今一度日本で原発事故が起これば、瑣末な議論どころではなかろう。原発は、局所的、短期処理可能でないところが、他の文明利器とは徹底的に違うことを肝に銘ずるべきだ。(憤慨居士)(2012/08/27)

「山岡淳一郎の「電力・夏の陣」」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

推進派の理屈は実にくだらないということを見てもらうため、是非読むべきとしたが、おかしな点をいくつか指摘しよう。1.やめる技術は維持できないというが、日本で維持しなくても、フランスなどにあるだろう?それでも日本で維持が必要なら、比較的安全性の高い原発を国の費用で1つだけ動かせばよく、沢山再稼動する必要はない。この際、原発輸出で儲けようというスケベ心は捨てるべき。2.再生エネルギーの利用率を低く見積もっていないか?太陽光や風力だけでなく、ガスコンバインド、水力、地熱、波潮力、蓄電、トリウム溶融塩、省エネ技術などまだまだ技術開発の余地がある。太陽電池にしても無駄なバラマキをやめて全戸に即取り付け、徐々に費用回収したらよい。3.化石燃料は安全保障上やコストの問題があるというが、シェールガスやメタンハイドレードの開発により対応可能だ。なぜ2030年か不明だが、まだ18年もあるではないか?4.廃棄物は全世界の知恵を結集すれば解決できるようなことを言っているが、どれだけ時間がかかると思っているのか?とにかく、地震国日本で10万年安全な保管場所は絶対にない。5.電力産業は国営になじまないというが、水力火力だけのときは民営で良いが、原子力は民間では責任が取れないことが福島でわかったろう。いずれにしても、大天変地異がいつ起こるか誰にもわからないが、ヒマラヤで貝の化石が見つかっている事実は想定外でもなんでもない。それに耐えうる原発は絶対になく、今一度日本で原発事故が起これば、瑣末な議論どころではなかろう。原発は、局所的、短期処理可能でないところが、他の文明利器とは徹底的に違うことを肝に銘ずるべきだ。(憤慨居士)(2012/08/27)

一度、各発電施設設置の環境調査や周辺住民への説明に始まり用地買収から施設の完全撤去、事故時の周辺への補償予測、発電廃棄物の処理、またそれに関わる各種税金・交付金をまとめたものを作ってみてはどうか。現状では、各発電施設にかかっているトータルコストが極めて不明瞭でコストパフォーマンス論は実際性を欠くものにしか見えない(2012/08/27)

原子力発電所を最初に導入したばかりは、やはり化石燃料なんかより、発電単価が高かったはず。それでも莫大な費用を掛けることにより、現在のように低コストで発電出来るようになった。再生可能エネルギーも原発と同様に低コストな電源となるかは分からないが、先ずは推進をしてみるべき。だから今の時点で原発をゼロにします宣言はいらない。数年後の再生可能エネルギーに普及、進歩の状況をみて決めれば良いのでは?反原発の方々も"廃炉”を政府に要求するよりも(もちろんこれも大事ですが)代替エネルギーが原発や化石燃料よりも普及するような政策を要求するならば、もう少し共感出来るのだけども。。。(2012/08/27)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

「タイム・トゥ・マーケット」で売らないともうからない。

栗山 年弘 アルプス電気社長