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コリンズとドラッカー

2人を取材した唯一の日本人が語るその思想と人物

2012年8月24日(金)

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 巨匠ピーター・ドラッカーと、その後継者と目されているジム・コリンズの二人の偉大なるビジネス・シンカーを取材した唯一の日本人といわれているのが、ジャーナリスト・翻訳家の牧野洋氏。
 米国西海岸に在住する同氏は、ジム・コリンズの最新作である『ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる』(原題はGREAT BY CHOICE:UNCERTAINTY,CHAOS,AND LUCK――Why some thrive despite them all、日経BP社)を翻訳・出版した。

 コリンズは激しく変化する不確実な時代に他を圧して成長している7社を取り上げ10X型企業と名づけた。それらの企業やその指導者である10X型リーダーの性格をライバル企業との比較で描いている。
 牧野氏は、マネジメント思想におけるドラッカーとコリンズの位置づけについて、同書に解説を執筆した。タイトルは「コリンズとドラッカー」。ここに全文を再録する。

 2009年11月7日、今は亡き経営学者のピーター・ドラッカーにとっての「第二の故郷」カリフォルニア州クレアモント。経営大学院ドラッカースクールが主催する「ドラッカー生誕百年祭」で、ジム・コリンズは何百人もの聴衆の前で基調講演した。クレアモントに住む私も生で聞いた。

ジム・コリンズ

 コリンズは百年祭の目玉だった。自らドラッカーを恩師と考えているばかりか、「ドラッカーの後継者」と見なされることもあるからだ。基調講演では、2005年に95歳で他界したドラッカーとの出会いを振り返った。

 1994年に出世作『ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則』を出版した直後のこと。コリンズの留守番電話にドラッカーからのメッセージが入っていた。

 「もしクレアモントまでご足労を願えるのならば、歓迎しますよ」

 コリンズは緊張した。ドラッカーのことをかねて尊敬していたからだ。『時代を超える生存の法則』の書名をどうするかで悩んでいたときには、共著者のジェリー・ポラスに向かって苦し紛れに「『ドラッカーは正しかった』という書名でどうだろう?」と言ったこともあった。

 恐る恐るドラッカーに折り返しの電話を入れた。

 「ドラッカーさん? ジム・コリンズです」
 「もっと声を大きく! 私はもう若くないんだから!」
 「ドラッカーさん! ジム・コリンズです!」

 耳が遠いドラッカーに向かって電話口で大声を張り上げながら、コリンズはクレアモントへ行くと伝えた。その時点では、当時85歳のドラッカーと出会うことで、その後の人生が一変してしまうとはつゆほども思わなかった。

コリンズに大きな影響を与えたドラッカーの質問

 閑静な住宅街にある質素なドラッカー宅でコリンズはドラッカーと対面。ドイツ語なまりの英語で「なぜコンサルティング会社を立ち上げたいのか?」と聞かれると、「好奇心もあるし、世の中に影響を与えたいからです」と答えた。当時、『時代を超える生存の原則』の出版を機会に、自分のコンサルティング会社をつくろうかと思案していたのだ。

 30代半ばだったコリンズは、映画『スターウォーズ』に出てくる賢人ヨーダから大切な教えを授かるような心境だった。「冷たいコーラでもどう?」と聞かれると、「この質問にも何か深い意味合いがあるのでは」と思わずにいられなかった。

 コリンズの人生に大きな影響を与えたのが、ドラッカーが投げ掛けた次の質問だった。

 「君は永続するマネジメント思想をつくりたいのか? それとも、永続するコンサルティング会社をつくりたいのか?」

 会社設立は手段にすぎないのに、いつの間にかそれが目的化していたのに気づかされた瞬間だった。

コメント2件コメント/レビュー

「私たちは人間です。何かを創造したり、何かに貢献したり、何かを生産したりするのです。このいすや机はコストですが、私たちはコストではありません。当たり前のことですが、当たり前のことを忘れている経営者が少なくありません」この言葉を読むだけで涙が止まりません。皆、順々に処分されていき、ついには自分にも順番が回ってきて、コスト削減対象になった経験をもったこの身には。(2012/08/24)

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「私たちは人間です。何かを創造したり、何かに貢献したり、何かを生産したりするのです。このいすや机はコストですが、私たちはコストではありません。当たり前のことですが、当たり前のことを忘れている経営者が少なくありません」この言葉を読むだけで涙が止まりません。皆、順々に処分されていき、ついには自分にも順番が回ってきて、コスト削減対象になった経験をもったこの身には。(2012/08/24)

「未来を予測する最高の方法(ひょっとしたら唯一の方法)は、自ら未来を創造することなのだ」の元は「The best way to predict the future is to invent it.」だとすると、アラン・ケイの言葉ですね。言葉を借りたのかは別として変わらぬ真実です。(2012/08/24)

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組織を正しい方向に導き、 作り変えていける人が、優れたリーダーです。

ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長