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エルピーダに「密約説」がつきまとうワケ

モノ言う社債権者があぶりだす倒産法制の課題

2012年8月28日(火)

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 会社更生手続き中の半導体大手、エルピーダメモリは8月21日、米同業大手マイクロン・テクノロジー傘下で経営再建を図ることを柱とする更生計画案を東京地方裁判所に提出した。買収総額は2000億円。マイクロンは2013年上期中にエルピーダを完全子会社化する方針だ。

 一方で、エルピーダ社長の坂本幸雄管財人らがまとめたこの更生計画案は手続きが性急で買収額が不当に安いとして、同社の社債を保有する一部の債権者グループが異議を唱えている。8月14日には、約300億円のつなぎ融資によってエルピーダの当面の資金繰りを支援しながら、より透明性の高い手続きによって新たなスポンサーを選定するという、独自の更生計画案を東京地裁に提出した。

エルピーダメモリの坂本幸雄氏(写真左)は、更生計画案の策定でも中心的な役割を担った(2月27日の会社更生法適用申請後の記者会見)

 今後、2つの案をどのように扱うかは東京地裁が判断することになるが、社債権者のグループの更生計画案はスポンサーが定まっていないという難題を抱える。マイクロンのマーク・ダーカンCEO(最高経営責任者)はこうした社債権者らの動きについて「会社更生のプロセスを利用してできるだけ多くの金額を回収しようとするのは自然。当社にとって驚きはない」と述べており、影響は軽微と見ている模様だ。

 社債権者グループの更生計画案の実現性は不透明な部分が多く、社債の弁済率を引き上げるための単なるポーズと受け取られても仕方ないのかもしれない。ただ、従来の法的整理のプロセスで「声を上げないステークホルダー」と見られがちだった社債権者が発し始めた主張に耳を傾けると、現行の倒産法制が抱える問題点が浮かび上がる。

「DIP型」でとどまったエルピーダ経営陣

 匿名を条件に取材に応じた社債権者グループのあるメンバーは、管財人らがマイクロンをスポンサーに選定した入札手続きについて「全くの出来レース。マイクロン以外のスポンサー候補にはデューデリジェンス(資産査定)に必要な情報が提供されなかった」と憤る。

 この社債権者グループによると、エルピーダの企業価値は3000億円を上回るという。スポンサー選定の過程で十分な情報が提供されなかったためにエルピーダの企業価値を正しく評価することができず、ライバル各社はマイクロンを上回る入札額を提示できなかったと主張。より公正で透明性の高い手続きによってスポンサーを選定し直すよう求めている。

 この社債権者グループが不信の目を向けるのは、会社更生手続きの開始後もエルピーダの経営陣にとどまり、2人置かれた管財人の1人として更生計画案の策定を主導してきた坂本氏だ。この社債権者は「坂本氏はマイクロンに再建後のポストを用意され、あらかじめ手を握っていたマイクロンに有利なようにスポンサー選定手続きを進めたのではないか」とさえいぶかる。

 マイクロンのダーカンCEOは7月末の本誌とのインタビューの中で、坂本氏の処遇について「(エルピーダの経営に)残りたいと言ってくれるのであれば、我々としては喜んで迎え入れたい」と話していた。

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「エルピーダに「密約説」がつきまとうワケ」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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