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QEにもかかわらず米経済が回復しない理由

第4回金融危機の余波 その3

  • ベン・バーナンキ

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2012年8月29日(水)

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 (住宅バブルの崩壊で始まった)景気後退――つまり、経済成長がマイナスとなる時期のことですが――は極めて深刻でしたが、既に話したように公式には終了しました。全米経済研究所(National Bureau of Economic Research)の委員会が、景気後退が始まった日と終わった日を公式に決定します。私はFRB議長になるまで、この委員会の委員を務めていました。

* 全米経済研究所(NBER)の「景気基準日決定委員会(Business Cycle Dating Committee)」のこと。NBERは、1920年に設立された非営利の無党派の民間研究組織で、経済学における実証分析の研究に特化しており、専属職員のほか大学教授など1000人以上の経済学者が参画している。ちなみに米国の歴代ノーベル経済学賞受賞者31人のうち16人がNBERの研究者だったという。

 NBERによると、景気後退は2007年12月に始まり、2009年6月に終了しました。つまり、長い不況だったわけです。ただ、景気後退が終わったということは、景気が通常の状態に戻ったことを意味するわけではありません。経済の縮小に歯止めがかかり、成長が再開したということを意味するだけです。

2007年12月~2009年6月の景気後退は戦後最悪

 今や経済が成長を始めてからほぼ3年経ちますが、1年当たりの平均成長率は2.5%程度にとどまっており、前も話したように正常な状態に戻るまでにはまだかなりの道のりがあります。ですから景気後退が終わったと言っても、素晴らしいというわけではありません。経済がもはや縮小していないというだけで、成長が再び始まったことを意味するだけなのです。

 このグラフ(下)を見れば、現在の景気回復が遅々たるペースにとどまっていることが明らかです。青線は実質GDP(国内総生産)の推移を示しています。灰色部分はNBERによる公式な景気後退期で、景気後退が2007年12月に始まり、以降、実質GDPが下落に転じたことが分かります。2009年半ば(6月)に公式には景気後退は終わりました。グラフにあるように、以降、実質経済の拡大とともに青線は上昇しています。

 しかし、赤線を見て下さい。これは2009年半ば以降、景気が戦後の回復局面における平均的なペースで回復したと仮定した場合の推移を示しています。この赤線と比較すると、今回の景気回復が戦後の平均的な回復よりも緩やかなことが分かります。

米国の実質GCPの推移(青線)。灰色部分は景気後退期。赤線は、景気が戦後以降の回復局面における平均的なペースで回復したと仮定したもので、これと比べると2009年6月以降、景気は回復局面に入ったとはいえ、その回復ペースは穏やかだ

 今回の回復はある意味、このスライドが示す以上に厳しいとも言えます。というのも、この景気後退は戦後最も深刻なものだったからです。景気の谷が深ければ、それだけ通常の水準に戻るまでの回復ペースは幾分速くなると思うかもしれませんが、実際にはこれまでの戦後の回復局面と比べて、成長率は平均を下回っています。

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