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エリートの信頼回復こそ課題

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2012年9月5日(水)

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世界経済が停滞する中、各国指導者は効果的政策を打ち出すことも、実行もできずにいる。背景には、問題の複雑化やグローバル化がもたらした所得格差、政治制度の限界がある。深刻なのは国民がエリートは自分たちの利益を優先しているとの疑いを深めていることだ。

 周知の通り世界経済は試練に直面している。欧州は危機のさなかにあり、その原因は構造的欠陥を内包した欧州の金融・経済同盟にある。米国は金融危機と広範な債務削減から回復しつつあったが、ここへきて成長鈍化、長期化する雇用問題、所得格差拡大など様々な構造問題が浮上、断固たる効果的対策を打ち出せずにいる。

 一方、新興国はどうか。中国の改革は今秋の政権移行を控えて棚上げされており、政権移行が完了するまでは政権中枢が目指す目標や勢力図は明らかにならない。インドでは改革の勢いが失速して景気が減速、投資家の信頼感が失われつつある。

「指導力の欠如」だけが問題か

 こうしたマイナスの影響が互いに波及し、今や負の連鎖となって世界経済を襲っている。「何かが深刻に間違っている」との懸念が明確に存在するにもかかわらず、抜本的変革に向けた処方箋はほぼ見当たらず、状況はむしろ悪化する傾向にある。

 多くの国や地域で効果的な政策が講じられていないのはなぜか。

 「指導力の欠如」を原因とする声は多い。事実、これが欧州各国に対する共通の診断だ。ほかの国でも、2極化と醜悪なゼロサム政治が、優秀なはずの政界指導者たちの意気をくじいている。特に米国はこの傾向が顕著だ。

 だが、深い分析もせず「指導力の欠如」で片づけるべきではない。フランス、英、日、米など先進国の新しい指導者が、なぜほとんど変革を成し遂げられないのかを知る必要がある。

 2つ目の理由はこの問題の答えでもある。つまり、大胆な行動が求められる一方で、経済情勢が複雑で正しい政策対応を巡り意見が分かれている状況では、深刻な政策ミスが起きるリスクがある。そのため、政治家や政策当局にとっては何もしないことが最善策となりかねない。

 こう見るとリスク回避は、個人のインセンティブ(再選、再指名、昇進への願望)と社会ニーズ(問題解決)の乖離の結果で、リスクを回避しようとする動きが乖離を増幅しているとも言える。

 3つ目の理由は、政策手段自体が現状に対応できなくなっているというものだ。確かに債務に過度に依存した経済が健全化するには時間がかかるし、持続可能な成長を回復するには数カ月ではなく数年を要する。期待が現実離れしていることもあり得る。

 だが、手早い解決策が見当たらないからといって、回復の速度や質を改善させる手立てがないわけではない。

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中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授