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あなたは民主党の「原発ゼロ」を信じますか

「国民的議論」は何のためだったのか

  • 市村 孝二巳

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2012年9月5日(水)

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 「私どもの基本的な方針は脱原発依存であります」

 8月22日、首相官邸。野田佳彦首相は、毎週金曜日に官邸前で脱原発を訴える抗議活動を続けてきた市民団体の代表と会い、民主党政権が「脱原発依存」を目指すという方針を繰り返し述べたが、議論は全く噛み合わなかった。

 「再稼働反対」。首都圏反原発連合と称する市民団体は、関西電力大飯原子力発電所第3、4号機の再稼働に反対するというシュプレヒコールを繰り返しているのに、それには真正面から答えず、「脱原発依存」が基本方針だと言っても、双方の議論に何ら接点が生じないのは当然のことだ。

 野田首相は8月30日で就任以来1年の節目を迎えた。さまざまな方面から批判を浴びながらも、「脱原発」の一点だけで世間の評価をつなぎとめようとしていた菅直人前首相に代わり、脱原発を訴える人々は野田首相の一挙手一投足を注視した。

 そして、脱原発路線からの隔たりが明らかになったのは、昨年12月16日、東京電力福島第1原子力発電所が「冷温停止状態」になったと宣言してからだったろう。

 さらに、6月16日、野田政権は大飯原発3、4号機を再稼働するという政治判断を下した。福島原発事故の反省に基づけば、防潮堤、免震重要棟、ベントフィルター、避難路といった安全措置を整備しない限り、拙速な再稼働はあり得ないという批判を半ば無視するかのように、大飯再稼働を強行した野田政権に対する脱原発派の不信感は頂点に達した。

 ここまで脱原発の世論が盛り上がりを見せるとは、大きな誤算だったのだろう。その野田首相が今さら、「原発ゼロ」を掲げたところで、その信憑性は極めて希薄だと言わざるを得ない。解散・総選挙を控え、明らかに形勢不利な状況を変えるには、なりふり構わないといった風情にも見て取れる。

福島ではほぼ全員が「即ゼロ」

 野田政権が脱原発に向けた国民の風向きに気づいたのは、7月から8月にかけて全国11都市で開いた意見聴取会が始まりだった。「原発ゼロ」シナリオを選んだのは、意見表明を希望した人の68%に上った。特に福島市での意見聴取会では、意見を表明した人のほぼ全員が「直ちにゼロ」を求めた。

 発電量に占める原発の比率をゼロ、15%、20~25%の3つから選ばせる「国民的議論」にはさまざまな批判が渦巻いたが、結果はいずれも原発ゼロが多数を占めた。9万件近い意見が寄せられたパブリックコメントでは87%、そのうち78%が「即ゼロ」を支持した。あえて意見表明を求める人には脱原発派が多いことも確かだが、2日間かけた「熟議」の結果、意見がどう変化したかをみる討論型世論調査の結果でも、原発ゼロは電話調査時点の33%、討論前の41%、討論後の47%へと増えていった。

 国民的議論を始めるに当たり、今ある原発を40年で廃炉にしていけば、いずれ原発がなくなるという自然体で行けば、2030年には15%になるという15%シナリオを落としどころと考えていた野田政権は大きく舵を切ることになる。

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