• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

進む「新エネルギー基本計画」策定の議論(前編)

kW市場の創設・電力国際ネットワーク形成・熱の有効利用などが重点施策に

2012年9月7日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2030年の電源構成における原発比率についての「国民的議論に関する検証会合」が8月22、27、28日に開かれた。前回も紹介したように、意見聴取会で意見を述べたいと応募した人の約7割が原発ゼロを指示していたが、7月2日~8月12日の募集期間に寄せられた9万件近いパブリックコメントでは、さらに多い87%の人が原発ゼロを支持したという。

原発ゼロは本当に実現できるのか?

 ただし検証会合では、意見聴取会やパブリックコメントの応募者の意見は、国民全体の縮図とは異なり、分布が偏る可能性が高いとの指摘もあったようである。前回の本コラムで述べた、声を大にして主張したい人の中での割合は国民全体での割合とは異なるのではないかという、わたしの疑問への回答が得られた思いである。

 この検証会合の座長である古川元久国家戦略相は、以前から記者会見の場などで、「原発ゼロを目指したい」と発言してきた。既に水面下で原発慎重派の若手研究者らに、必要な施策や実現可能性などの精査を依頼し、原発ゼロに向けた理論武装を固め始めていたようである。

 一方、このように原発ゼロへと突き進むかのように見える我が国の状況は、外国人記者らの目には奇異に映っているようだ。

 先日、わたしもメンバーになっている日本外国特派員協会で、スリランカ出身のインタープレスサービス特派員のスベンドリニ・カクチ女史からインタビューを受ける機会があった。その際に、8月6日に同協会で開かれたプロフェッショナル・ランチョン(講演会)「Japan’s Energy Future」に関する彼女の意見を聞いた。講演者は、慶応大学経済学部の金子勝教授と、東京大学社会科学研究所のポール・スカリス客員研究員。カクチ女史によれば、金子教授は原子力に対して極めて否定的だったが、その代替案に関しては明快でない印象だったという。対照的に、米国人のスカリス客員研究員は、これまで長く原子力の平和利用に貢献してきた日本が、それを簡単にやめられるのか非常に懐疑的で、同様にカクチ女史自身も、原発ゼロに向かおうとしている日本を奇異に感じているとのことだった。

 こうした海外からの冷静な意見を聞くにつけ、日本の未来に大きくかかわる重要な決断に際しては、じっくり時間をかけて考えなければならないと、改めて感じた次第である。

コメント0

「エネルギー革命の深層」のバックナンバー

一覧

「進む「新エネルギー基本計画」策定の議論(前編)」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック