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シャープは日立になれるか

本業回帰も道のり険しく

  • 阿部 貴浩

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2012年9月7日(金)

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 「待っていることを知っているのにキャンセルしたのか」

 8月30日の午後、シャープと台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業が共同運営する堺工場(大阪府堺市)の会見室に、詰め掛けた報道陣の怒号が響いた。

 予定されていたホンハイの郭台銘(テリー・ゴウ)董事長の会見がドタキャンとなり、すでに工場を離れたと宣告されたからだ。代わりに登場した戴正呉副会長を報道陣が取り囲んで質問を浴びせ掛け、騒然とした雰囲気となった。

 驚いたのはマスコミだけではない。シャープも同じだ。週末に向けてトップ同士で交渉を詰め、協業と資本提携の枠組みを確定させたかった。そんな多くの人の思いをよそに、郭董事長は30日夜には日本を離れた。

郭董事長が記者会見を突然キャンセルし、報道陣は騒然となった

 液晶テレビで一世を風靡し、優良企業となったシャープ。それが今、海外の提携先との交渉に翻弄されている。

 翌31日には米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、シャープの格付けを「ダブルBプラス」にまで2段階引き下げた。この格付けの債券は投機的水準とされ、利回りは高いが、利払いや償還が滞るリスクもある「ジャンク債」に区分される。ジャンクとは、「がらくた」の意味だ。

 なぜ優良企業が、瞬く間に「がらくた」になってしまったのか。新興国勢力との競争激化や円の独歩高など様々な要因はあるが、最大の理由は市場予測の甘さと過剰投資にある。

 亀山工場で生産した「亀山モデル」の液晶テレビがブランドとなり、シャープの企業価値を向上させた。成功体験の延長線上で、4200億円もの巨費を投じて堺工場を建設。生産能力を拡大しシェアを伸ばすことで価格決定権を握るという、攻撃的な戦略を貫いた。

過剰投資が業績を圧迫

 製造業が経営危機に陥る理由として、最も多いのが過剰投資による固定費の増加だ。市場の伸びや、自社の技術力・ブランド力を過信して、投資を加速させた結果、自社の販売能力を超えた生産能力を抱え込み、稼働率が低下して固定費負担が圧し掛かる。

 積み上がった在庫を処分できずに資金繰りの悪化を招く。需要予測の甘さと過剰投資がすべての始まりだ。

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