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第9話 あっ! 刑事コロンボ、フーテンの寅さんも使ったミラクルキーワード

  • 弓飾 丸資

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2012年9月14日(金)

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 前回でお読み戴いた『客電』の会話の中で、≪≫で囲んだ沢山のフレーズをご紹介した。セールスの経験のない読者でも、何となく「セールスマンとして駄目押しの効くフレーズだなぁ」くらいはお感じ戴けたかと思う。

 この様に書き出して見ると、余りにも執拗でセールスマンの執念の様なものに驚かれたかもしれない。そして、お客との会話の中に忍び込ませる≪≫で囲んだフレーズの中に、目障りなぐらい入っている≪あっ≫とはなんだろう?七面倒臭く何回も入っている≪あっ≫て「ありゃ一体何んなんだ!」と、不快にさえ思われた読者もおられるだろう。

ミラクルなキーワード

 しかし正にあの≪あっ≫は、我々訪問販売のセールスマンが多用する、ミラクルな魅力のある言葉なのだ。ちょっと想像をして欲しい。毎日の職場やよく通うお店などで、気心の知れた若い女の子に「≪あっ≫、今日はなぜそんなに綺麗なの?」と声をかけたとする。この時に≪あっ≫がもし入っていなかったとしたら、相手の嬉しさは半減してしまうだろう。冗談と分っていても女性は嬉しくなるその言葉も、≪あっ≫が入っていればこそ、その後のフレーズに力が宿るというものだ。

 ≪あっ≫と言われた瞬間、コンマ何秒かのその刹那に、女の子の頭は実に早いスピードでクルクルと回転し、この場合の≪あっ≫は「何に驚いたのだろう、今日の髪型? 化粧の仕方? 着ている服? それとも自分でも気づかない何か変わったところを見つけたのかしら?」そのコンマ何秒かで、自分に向けられた視線と≪あっ≫という言葉から、いくつもの疑問といくつもの期待が交叉し、その後に続くフレーズに淡い、信憑性や心地良い感触をもたらすのだ。これを我々の符丁で『コロンボ効果』と呼んでいる。

 もう古くなってしまったが、かつてテレビ・ドラマのシリーズで一世を風靡したあのコロンボ刑事のことだ。まだご記憶の方もお有りだと思うが、あのコロンボ刑事、ドラマの中で度々犯人らしき人物との会話のシーンで、一度会話が中断した直ぐその後や別れ際などに、必ずさも今思い浮かんだと言わんばかりに振返って、「≪あっ≫もう一つお聞きしたいのですが?」と毎回何度となく同じ台詞を投げかける。そして犯人らしき人物がその都度追い詰められていくというのが、あのドラマの人気のパターンだ。

 実際のコロンボ刑事の言っているあの≪あっ≫の部分は、オリジナルの英語では何と言っているのか私には解からないのだが、少なくとも話しかけた相手の心を一瞬なんらかの、ドギマギさせる言葉であることに違いは無いはずだ。

 コロンボ刑事の場合には、追い詰められて行く犯人が、≪あっ≫の言葉で、隠しているどの部分から攻められるのか瞬時に知ろうと、また言い訳をしなくてはと身構える。コロンボは犯人を狼狽させるため、執拗に≪あっ≫を使うのだが、セールスマンも色々な効果を引き出すため、これを随分多用する。しかしそのほとんどの場合、お客がポジティブな発想を持ってくれるよう、それを保てる様に使う。

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