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電気、熱から水素まで供給するポリジェネレーションへ

進む「新エネルギー基本計画」策定の議論(後編)

2012年9月14日(金)

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 前編で解説したように、コージェネレーション(熱電併給、以下コジェネ)システムなどによる熱需要と電源立地のマッチングは、省エネの面からも、これからのものづくり産業のあり方を考える上でも、極めて重要になる。そして、前々回に解説したように、2030年の電源構成における原発比率の目標がどう決まろうと、コジェネの比率は、現状の5倍の15%にまで引き上げることが目標となる。

 このコジェネの導入促進に向けた体制強化として、資源エネルギー庁は電力・ガス事業部政策課に「熱電併給推進室(通称:コジェネ推進室)」を、今年の8月1日付で新設した。そして、コジェネ推進室が取り組む、需要家に対する補助金などの施策による導入促進を、法的に裏付けるのが、2009年7月に公布された「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)」である。

需要家への積極的な支援を定めた附帯決議

 このエネルギー供給構造高度化法は、地球温暖化と資源枯渇への対策として、電気、ガス、石油などのエネルギー供給事業者に対し、再生可能エネルギーなど非化石エネルギーの利用拡大と、天然ガスや石油など化石燃料の高度利用を義務付けることに主眼を置いている。ちなみに、今年の7月1日に「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度」が始まるまで実施されていた、住宅用の太陽光発電の余剰電力買い取り制度を定めたのも、同法である。

 実は、供給事業者に対する施策だけでなく、需要家に対する積極的な支援や条件整備などについても定められている。それは、同法の条文そのものではなく、法案を審議した2009年6月の衆議院の経済産業委員会で付された附帯決議によってである。附帯決議は、厳密には法的な拘束力がないとはいえ、政府は法律の執行に当たって必ず留意せねばならず、極めて重い意味を持つ。わたしは当時、法案づくりにかかわった経済産業省の総合資源エネルギー調査会の新エネルギー部会長として、同委員会に参考人招致されたこともあり、この附帯決議に関しては鮮明に記憶している。

 化石燃料の高度利用を推進する上で、熱も電気も有効利用できるコジェネの導入促進は、すぐに取り掛かれて、しかも極めて効果的な方策だと言える。ゆえに、この附帯決議に定められているように、コジェネを導入する需要家に対しては、補助金などによって積極的に支援することが政府に求められるのである。

 我が国の一次エネルギー消費において、最も多く消費されているのは石油である。IEA(国際エネルギー機関)の統計によると、2009年の一次エネルギー消費は石油換算で4.7億トン。そのうち石油が42%で最も多く、続いて多いのが21%の石炭だ。7月27日付の本コラム「天然ガスシフトが分散型電源を推進」で解説したように、化石燃料の中では燃焼時の二酸化炭素の排出量が少なくて済む天然ガスへのシフトが注目されているが、まだまだ石油や石炭の消費量は多い。その高度利用は、避けることのできない重要な課題である。

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「電気、熱から水素まで供給するポリジェネレーションへ」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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