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「スマート」は救世主にならない

“面白くない”日本の白物家電

2012年9月13日(木)

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 「パナソニックはスマート家電へ!」

 8月下旬、パナソニックが「スマート家電」なる新製品を発表した。スマート家電とは、スマートフォン(高機能携帯電話)と連動する白物家電(エアコンやドラム式洗濯乾燥機、冷蔵庫など9製品)のこと。全ての製品には独自のチップが埋め込まれており、専用アプリをダウンロードすれば、スマホ連動して白物家電を動かせるというものだ。不振が続くデジタル製品に変わる新たな成長機軸として、スマート家電を打ち出すというのだ。

 シャープも今夏、ユーザーと会話ができることを売りにしたロボット掃除機「COCOROBO(ココロボ)」や、洗米機能を搭載したIH炊飯ジャー「ヘルシオ炊飯器」など、高性能白物家電を立て続けに発表している。これら高性能白物家電の発売を耳にしたとき、私は強い危機感を覚えた。白物家電でも「ガラパゴス化」が深刻化するのではないかと不安を感じてしまったのだ。

 はじめに申し上げておくと、私は別に日経ビジネスで電機業界を担当しているわけではない。電機各社の経営状況や商品戦略については、新聞以上の情報は知らない。ただ日経ビジネスに異動する前、月刊誌「日経トレンディ」に9年間在籍し、長らく商品の性能チェックを担ってきた。

 当時、日経トレンディでは、夏と冬のボーナス商戦前となる8月号と1月号に、家電製品の新商品を集めた実力テストを定番特集として記事にしていた。そして私は白物家電のテストを担当することが多かった。

 8月号と1月号の取材時期になると、マンションの1部屋を借りたり、時には自宅に白物家電を持ち帰ったりして、各社の最新製品の性能をテストした。オーブンレンジの評価では、主要電機5社の最新モデルを使って、肉まんや冷えたご飯を温めたり、鶏の照り焼きやハンバーグ、塩鯖からクッキーまで様々なものを焼きまくった。

 ドラム式洗濯乾燥機や食洗機のテストでは、あえて汚した洗濯物や食器を用意して洗浄能力を比べ、掃除機では床にゴミをまき散らして吸引性能を評価した。IH炊飯ジャーの性能を見るために白米を炊きまくり、ホームベーカリーのチェックでは食パンを焼きまくった。とにかく夏と冬の年中行事では、死にものぐるいで白物家電を使いまくった。

 この経験があるので白物家電業界に対する愛着は人一倍強い。商品にも業界にも大きな期待を寄せている。だが今夏の新製品を見て、正直、とてもがっかりした。それは家電各社が、あまりにも「消費者不在」の開発に突っ走ってしまったように見えたからだ。

 日経トレンディ時代のある時期から、私は白物家電の売れ方が少しずつ変わっていったことを感じるようになっていた。おそらく、英ダイソンの掃除機が少しずつ日本でも認知度を得始めた頃だったと思う。

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「「スマート」は救世主にならない」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネスクロスメディア編集長

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・運輸業界や小売業界などを担当。2017年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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