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手の平だけで使えるATM初登場!

震災教訓に進化する金融サービス

2012年9月19日(水)

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 岐阜県を基盤とする大垣共立銀行が、昨年の東日本大震災を教訓に新たな金融サービスを始める。災害で通帳やキャッシュカードを紛失した事態を踏まえ、手の平だけで使えるATMを9月26日から国内で初めて稼動させる。

 同行の試みは世界で2例目とみられる。トルコ最大の国営銀行が今年の初めから開始したサービスに続くものだ。指で本人を認証する機能が付いているATMは国内でよく見かけるが、一体なにが違うのだろうか。

通帳やカードをなくす発想で開発

 指認証タイプのATMは通帳やキャッシュカードを使う際、一段のセキュリティー強化として利用者自身と判別している。逆説的に言えば、通帳やキャッシュカードが手元にないとそもそも使えないわけだ。それに対し、手の平タイプは通帳やカードがなくても使える画期的な装置。同行は「通帳やカード自体をなくそうという発想で開発を始めた」(システム部)と語る。

 その契機は、昨年の大震災だった。岩手、宮城、福島など東北地方を津波が襲い、多くの被災者が家や財産を一瞬にして失う。もちろん銀行の通帳やキャッシュカードも例外ではない。このため、当座の生活資金を得るのは苦労の連続だった。長蛇の列ができた銀行に足を運び、特別な用紙に必要な金額を記入。ただし上限は10万円。特に中小企業の経営者は従業員に対する給与や取引先にまとまったお金を支払う必要があり、何度も何度も銀行の窓口を訪ねる羽目になった。

 過去にもユニークな金融サービスを考案してきた同行は、「レスキュー号」と呼ばれる移動型店舗のマイクロバスを実は保有している。26人乗りのバスを改造し、衛星通信を活用して現金を引きだせるATMを設置。2004年の中越地震を受け、すでに万が一の災害に備えて準備をしていたのだ。

 昨春、未曾有の震災が起きると、即座に被災地の金融機関に協力を申し出た。「そちらにバスを向かわることができますが…」。しかし善意の支援は叶わなかった。なぜならば、移動型ATMのニーズはあったものの、利用者の通帳やカードがないとそもそも使えない装置だったためだ。

 関係者は無念だった。だが、すぐに気持ちを切りかえた。そう、通帳やカードがいらないものを作ろうと。

コメント2件コメント/レビュー

すばらしい。偽造されたときの対策があれば言うこと無し。他の銀行でもやってくれないかな。(2012/09/19)

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「手の平だけで使えるATM初登場!」の著者

馬場 燃

馬場 燃(ばば・もゆる)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社の経済部などを経て、2012年4月から日経ビジネス記者。電機・IT業界を担当している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

すばらしい。偽造されたときの対策があれば言うこと無し。他の銀行でもやってくれないかな。(2012/09/19)

静脈認証は手が冷えている(温かい)時に登録すると、温まる(冷える)と弾かれるといわれています。閾値を低くして運用すれば本人が弾かれる確率は低くなりますが、他人が受け入れられてしまう確率は高くなります。本当のところどこまで安全で便利なのか、誰がどう検証したのか教えて欲しいものです。(2012/09/19)

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