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世界は問題先送りの限界に直面

問われるトップの指導力

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2012年9月26日(水)

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ECBもFRBも大胆な金融政策を打ち出したが、いずれも根本的な解決にはつながらない。世界は、時間稼ぎを重ねてきた結果、問題は膨らみ、先送りを許さない事態となりつつある。先進国、新興国を問わず抜本的解決策を打てるか、トップの指導力が問われている。

 金融市場は7月以降上昇を続けている。世界経済や地政学的見通しがこれ以上悪化することはないだろう、との期待感からだ。たとえ悪化しても、中央銀行が経済と市場の底割れを防ごうと、すぐに量的緩和といった追加の流動性供給策を導入するはずだ、との思惑も金融市場を支えてきた。

 つまり、経済の明るい材料や予想ほど悪くない材料が市場を牽引しているだけではない。悪材料さえも好材料と受け止められているということだ。

 悪材料は、ベン・バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長やマリオ・ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁をはじめとする中央銀行の「火消し役」が、莫大な資金を市場に投入して事態の鎮火を図る可能性が高まることを意味するからだ。

ECBの決定は根本解決ではない

 だが、好材料のみならず悪材料でも値上がりするような市場は、安定した市場とは言い難い。こうした市場環境では、経済動向が悪化し、政策当局者の能力に対する信頼感が低下すれば、投資家のセンチメントが悪化して、再び「リスク回避」志向が強まる公算が大きい。

 ユーロ圏では、ECBが重債務国の国債を無制限に買い入れるという決定を下したことを受けて、ユーフォリア(陶酔感)が広がっている。だが、今回のECBの決定は、状況を根本から変えるものではない。危機を乗り切るために必要な困難な措置を実施するための時間を政策当局に与えただけだ。

 政策当局が直面している課題は非常に厳しいものである。緊縮策を前倒しし、信用割り当てが厳しくなるに従い、ユーロ圏の景気後退は深刻さを増している。ユーロ圏の銀行及び各国の国債に対する評価がどんどん分裂・分断化していく中で、成長を回復し、対外収支を均衡させ、競争力を復活させるマクロ経済政策を追求しながら、銀行同盟や財政・経済の統合を成し遂げることは、極めて困難だろう。

 ECBの支援ですら、どこまで当てにできるか分からない。ドイツ連邦銀行を筆頭に、金融政策のタカ派と目される欧州中核国の中央銀行は、ECBの権限内とされる新たな無制限の国債買い入れの影響を懸念し、買い入れ対象国に厳格かつ実効的な条件を課すことに成功した。この結果、厳格な基準が守られない場合には、支援が打ち切られることもあり得る。

ECBに解決策を委ねたドイツ

 さらに、ギリシャが2013年にユーロ圏を離脱する可能性は十分あり、その場合、スペインやイタリアの事態が他国に波及しないよう強固な防火壁を構築しておくことが間に合わなくなる恐れもある。スペインは今やギリシャと同様に不況に突入しつつあり、トロイカ(ECB、欧州委員会、国際通貨基金=IMF)による全面的な救済を余儀なくされるかもしれない。

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