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あの“成功体験”が大失敗? 震災直後の一斉帰宅はダメダメな愚策

“火災の津波”が発生する都内、むやみに帰れば生き地獄

2012年9月25日(火)

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 20XX年X月X日、東京・荒川河口付近でマグニチュード7.3の地震が発生!――そのとき、自分はどこにいて、どのようにして巨大地震と向き合えばいいのか? 本コラム“ぶら防”では、切迫性が高まっているという首都直下地震「東京湾北部地震」を想定してストーリーを展開する。身近な街中に潜んでいる危険と、それらの危険から身を守る方法を、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏、そしてこの「丸の内編」では、次世代を担う若者たち代表として、国際ボランティア学生協会(IVUSA)に参加する現役大学生と共に考えていく。

 前回は高層ビルや地下街といった、従来“安全”と見なされてきたエリアも、ひとたび被災地ともなれば、決して我々を守る砦とはならないことを知った。そして今回、「帰宅難民」の問題点に渡辺氏が切り込む。

 丸の内に建ち並ぶ超高層ビル、さらには大手町、日比谷、有楽町、そして銀座までつながっている迷路のような地下通路や地下街。こうした目を見張る都市化、そして「昼間、この街へとやって来る数十万人というビジネスパーソンや来訪者が、震災発生時の大きな不安要素(トラブルを引き起こす原因)となりかねない……」と語る“防災の鬼”こと、防災・危機管理ジャーナリスト渡辺実氏。

帰宅難民について語る防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏。「あれは貴重な経験だったのでは?」と尋ねるのは、ぶら防パートナーで国際ボランティア学生協会(IVUSA)の会員、日本大学4年生の岩村友香里さん

 前回の最後に「東日本大震災での帰宅難民騒動は、成功事例などではない。その反対、むしろ失敗事例だ」と意味深な発言をした渡辺氏。確かに大変な思いをした人は多いが、無事、自宅までたどりついた人々は、決してこの行為が“失敗”だったとは思ってはいないはず。「むしろ貴重な経験をしたと、今後の防災時の行動につながるのでは?」と岩村さんも首をかしげる。

 それでは、行き場を失った人たちは、どのような行動を取るべきなのか? 話は、東日本大震災直後に都内で発生した帰宅難民(帰宅困難者)に対する問題の深層に及んだ――。

東日本大震災が“帰宅難民”のイメージを歪めた

 東日本大震災が起きた2011年3月11日、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県南部)では、外出者のうち約28%、515万人が自宅に帰ることができなかったと見られている。大変な人数だ。当日午後5時までに会社や学校にいた人の半数が、その場を離れて帰路についた。彼らが帰宅した背景には、約4割もの企業が従業員に対して帰宅を促したことが大きい(いずれの数値も内閣府推定)。

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「渡辺実のぶらり防災・危機管理」のバックナンバー

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「あの“成功体験”が大失敗? 震災直後の一斉帰宅はダメダメな愚策」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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