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電子書籍は離陸するか

「余暇争奪戦」を勝ち残れ

2012年9月26日(水)

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 日経ビジネス9月24日号の特集「タブレット覇権」。記事の中で、掛け声はかかるが、なかなか普及スピードが上がらない国内電子書籍市場の現状について触れた。市場拡大のカギは膨大な書籍コンテンツを持つ出版社が握っているが、大手でさえ電子化に及び腰な姿勢が目立ち、足並みが揃わないのが実情だ。

 このあたりの詳述は特集に譲るが、ともかく現在のところ、日本では読みたい本を気軽に電子画面で楽しむ環境は整っていない。

専用端末は起爆剤にならない

 年内の国内参入が取沙汰される米アマゾン・ドット・コムの「Kindle(キンドル)」をはじめ、今年は比較的安価で手の届きやすい専用端末のラインナップが一気に充実する見込みだ。これをもって「年末頃から環境は大きく進展する」と期待する声があるが、いくら安価でも専用端末の充実が強い起爆剤になるとは思えない。

 アマゾンのキンドルが米国で普及した2009~2010年頃は、有力なタブレット型パソコンはiPadくらいしかなかった。今は「タブレット覇権」特集で示したように、大きさからキーボードの有無、搭載するOS(基本ソフト)まで百花繚乱だ。機能が読書に特化した専用端末を買い求める理由は薄れている。

 価格面での優位性はある。だがタブレットの価格下落も予想されるなか、似たような板状の電子機器を複数、かばんに入れて持ち歩く人はそう多くないだろう。なにか1つということであれば、読書に加えてインターネット閲覧、メール、ゲームなど多様な楽しみ方ができる汎用のタブレット端末を選びたいという人が多いのではないか。

 電子書籍の成功者であるアマゾンも、汎用の端末に重心を移している。今月6日に米国で開催した新製品発表会で、同社のジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)はプレゼンテーションの大半を「Kindle Fire HD」など新型のタブレット端末に割いた。日本に投入されるのがKindleシリーズのどの機種になるかはいまだ不明だが、電子書籍の専用端末だけになるとは考えにくい。

 こうした流れを考えると、今後電子書籍の主戦場となるのはタブレットか、画面は小さいがほぼ同じ使い方ができるスマートフォン、あるいはノートパソコンだろう。だとすると、ここで1つの課題が持ち上がる。様々な使い方ができるこのような機器を手にしたとき、その端末で果たして人は書籍を読むか、という問題である。

 専用端末を購入したのであれば、その人が電子書籍を楽しむことは確実だ。だが、タブレットやスマホの場合、娯楽として、あるいは教養を得るため、読書が他のコンテンツに勝る魅力を提供できなければ、新型のデジタル機器の画面に浮かび上がることを許されないのだ。

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「電子書籍は離陸するか」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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