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白川日銀総裁から野田首相へ、5兆円のプレゼント

短期国債、買い入れ増額の真相

  • 市村 孝二巳

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2012年9月28日(金)

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 日本銀行は9月18、19日の政策委員会・金融政策決定会合で、追加緩和を一段と強化することを決めた。国債などを買い取る「資産買入等基金」の規模を従来の70兆円から80兆円に増額するとともに、買い入れを続ける期間を2013年6月末から同年12月末まで延長した。

 日銀は2010年10月5日に資産買入等基金の創設を含めた「包括的な金融緩和政策」を実施し、これまで段階的に基金の規模を拡大してきた。今回の追加緩和策に先立つ形で、日銀の決断を促すような出来事が2つあった。

 1つは、9月6日に欧州中央銀行(ECB)が決めた、スペインなど南欧諸国の国債を買い取る「アウトライト・マネタリー・トランザクション(OMT)」と呼ばれる措置の導入である。当該国が欧州安定メカニズム(ESM)に支援を要請し、財政再建計画について約束することを条件に、償還期間1~3年の国債に限って無制限に購入するという前代未聞の措置だ。これを受けてスペイン国債の利回りは低下、ユーロ相場も一時1ユーロ=103円台まで値を戻した。

 さらにもう1つは、米連邦準備理事会(FRB)が9月12~13日の連邦公開市場委員会(FOMC)で決めた、量的緩和第3弾(QE3)だ。追加緩和策で住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドル(約3兆1000億円)のペースで買い取ると決めた。

 欧米中央銀行の相次ぐ追加量的緩和策に背中を押される形で基金増額を決めた日銀。主要国中央銀行の金融緩和競争といった様相だが、今回の日銀の決定にはもう1つ、止むに止まれぬ事情があったことはあまり知られていない。

「予想以上に思い切った対応」

 「予想以上に思い切った対応をしてもらった。従来にも増して大胆な金融緩和措置が決定され、政府としても大いに歓迎したい」

 安住淳財務相はこう語り、日銀の決定にもろ手を挙げて歓迎した。欧米中央銀行が追加緩和を実施する一方で、日銀が追加緩和を見送れば、市場の失望を招き、急な円高、株安が進むことも懸念されていたが、10兆円という市場の予想を上回る増額幅は驚きをもって受け止められ、その日の東京市場では円安、株高が進んだ。

 「思い切った決断を早め早めにしてくれた」。安住財務相が喜んだのも当然だろう。なぜなら、今回の日銀の決定には、財務省、そして民主党政権への大きなプレゼントが含まれていたからだ。

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