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第11話 すご腕セールスマン四人侍 2人目

警察の尋問にヒントを得た「吉田さん」あきれる話術

  • 弓飾 丸資

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2012年10月5日(金)

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 これまで何度か訪問販売のセールスマンが偽名を使う事が多いと述べてきたが、今回ご紹介する「吉田さん」こそ正真正銘の偽名だ。本人から直々に「私の名前は偽名です」と聞かされたのである。

「ねェ、奥様、お願いしますよ!」を連発する不思議

 吉田さんは元大手メーカーの経理マンだった人で、新聞にも大きく掲載されたような横領事件にかかわり、懲役を何年か勤めてきた方だった。だから本当は「知る人ぞ知る」人物なのだが、「本名は尋ねないでほしい」と先手を打って偽名であることを知らされたのである。

 「偽名を偽名だと名乗る」というのもおかしな話だが、この吉田さん、とにかく煩わしいことが大嫌いな人間で、朝の挨拶も「にゃっ」と笑うだけで言葉は発しない。メシに誘ってもOKであれば同じ様に「にゃっ」と笑い、断る場合はゆっくり首を横に振るだけで、とにかくものぐさは徹底している。

 そしてこの人“アポマン”として1軒1軒訪問するのだが、誠に信じ難いことに訪問した見ず知らずのお宅でも、出て来た家人への挨拶は何にも無しで、「にゃっ」と笑うだけで、「我が社はリフォームのための外壁材の新商品の説明を聞いて戴くキャンペーンをやっております。ご家族で説明を聞いて戴けないでしょうか」と、この台詞を棒読み状態で告げるだけ告げる。実に何ともアイソの無い口上?というべきか、一人語りというべきなのか、セールスマンとしての気遣いは微塵も感じられぬソッケ無いものだ。

編集部注:クローザーやアポマンの意味が分からない読者の皆様へ。それぞれ訪問営業マンたちの仕事の名称です。この機会に『天使たちの訪問販売』を最初からお読みください。

 そして驚くことにその後は「ねェ、奥様お願いしますよ!」を、これだけを唯々連発するだけなのである。お客からはどの様な返答が返って来ても、聞かぬ素振りでその言葉をなお一層被せる様にして、唯々「ねェ、奥様、お願いしますよ!」の繰り返しの連発で押し通す。もしこの場面を横から見ていたとしたなら、誠に異様な風景だといえる。間違ってもお客とセールスマンのやり取りとはとても言えない。

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