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ベンチャー!年の差なんて

特集「日本を救う次世代ベンチャー100」の取材より

2012年10月5日(金)

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 サラリーマン社長とベンチャーの創業者であれば、後者の方が取材は楽しいことが多い。昨年に続く日経ビジネス「100特集」の第2回は、特集「日本を救う次世代ベンチャー100」。今後の日本社会において求められる成長領域で、近年設立された企業100社取り上げている。普段の大企業中心の取材とは違った楽しさがあった。驚いたのは、ベンチャー社長たちの年齢である。20代から70代までと実に幅が広い。一部上場企業の経営者らの年齢は50~60代に集中しているだろうから、普段の社長取材ではあまりお会いしない年齢の方もいた。

 最高齢は、ナールスコーポレーションの松本和男社長である。同社は「ナールスゲン」という新しい化合物を基にした化粧品開発を手がけている。今年3月の会社設立時点で71歳。田辺製薬(現田辺三菱製薬)では取締役まで務めた。その後、「そろそろリタイアして好きな薬史学の論文をまとめたい」と思っていたタイミングで社長就任を頼まれた。

ナールスコーポレーションの松本和男社長。70歳を超えてベンチャー企業を起こした。

 打診したのはナールスゲンの発明者である、京都大学化学研究所の平竹潤教授だ。歳は離れていたが、松本社長にとっては同じ研究室の後輩に当たる。これまでも大手製薬企業で研究開発を指揮してきた経験から、何度か平竹教授にアドバイスすることはあった。だから、いざ平竹教授から経営を頼まれた時には「今まで叱咤激励しておいていざというときは手伝わない、というわけにはいかなかった」(松本氏)。

 メドテックハートの高谷節雄社長も、経営者としては「遅咲き」ということになる。社長としてのキャリアを本格的にスタートしたのは、今年に入って東京医科歯科大学副学長の座を退いた後だ。すべては「日本発の補助人工心臓を世界へ」という夢を追うため。「奥さんにも反対されたが、自由にやってみたかった」。副学長時代には秘書までいたのに今はすべて自分でこなす日々。それでも、「苦にならない。夢があるから楽しい」と笑う63歳は、人工心臓の歴史を語り始めると止まらない熱血漢でもある。

 年齢は気にしていない。今年9月にはトルコの学会にも足を運び、来場者に製品を説明した。海外企業からの反響は良く、「来年の今頃、欧州で製品を発売できるのではないか」と見通しを口にする。

 2人とも若い。声の張り、軽快な足取り、細かな数字まですぐに引っ張り出せる記憶力、そして何よりリスクを恐れず会社設立に踏み切った行動力。年齢を感じさせる要素は見当たらない。ナールスの松本社長も、メドテックハートの高谷社長も“サラリーマン”としては大組織の幹部にまで登り詰めている。

 それでも迷わずすべての雑務を自分でこなす日々に自ら身を投じた。2人には「日本の大学発ベンチャーとしての成功」という夢も共通している。“アラセブンティー”社長の活躍をこれからも追いたい。

入社2年目でグーグルから独立

シンクランチの福山誠社長。入社2年目のグーグルを去って独立。(写真:都築雅人)

 フェイスブック上で2対2のランチ相手を探せる「ソーシャルランチ」というサービスを展開するシンクランチ。昨年会社を立ち上げた時、福山誠社長は26歳だった。学生の頃から独立については漠然と考えていた。それが本当だとしても「独立に迷いはなかった」という言葉はにわかに疑ってしまった。新卒で入社した企業は、グーグル。ITエンジニアとしては最高峰の職場で働いていて、すでに結婚して子供までいたからだ。

 「大企業にいたからといって安定が保障されるわけではないし、大きな組織だと自由に新しいものを創り出すという作業に時間は割けない」。そのことに気づき、同期入社の友人を誘って会社を立ち上げた。現在会員6万人を集めるソーシャルランチは、福山社長が構想した事業アイデアの中では数ある1つに過ぎない。むしろ、「本当はもっと成功しそうなものもあった」という。当面はソーシャルランチに力を入れていくだろうが、若きアイデアマンの二の矢、三の矢が楽しみだ。

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「ベンチャー!年の差なんて」の著者

上木 貴博

上木 貴博(うえき・たかひろ)

日経ビジネス記者

2002年に筑波大学を卒業し、日経BP入社。「日経ビジネス」「日経情報ストラテジー」「日経マネー」編集部などを経て、2016年4月から現職。製造業を中心に取材中。趣味は献血(通算185回)。相撲二段。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官