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横並びの計画、市街地の復興を阻む壁

住民に「ゾーニング」を理解してもらうことがカギ

2012年10月9日(火)

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 東北沿岸の被災地を回ると、震災廃棄物の撤去はほぼ終えたものの、復興事業はまったく手つかずという印象を受ける。復興計画はとっくにできたはずなのに、どうして現場は動かないのだろうか。

 国土交通省は青森県から千葉県まで43市町村で市街地復興パターン概略検討調査を実施し、各自治体に職員を派遣して復興計画策定を支援した。その結果、今年の6月末までに43市町村中41市町村が復興計画を策定済みとなっている。その代表例をいくつか紹介しながら、津波防御や被災地域の未来像がどう計画されているかを批判してみたい。

異なる復興の制約条件

仙台市の復興計画

 東北唯一の100万人都市(政令指定都市)である仙台市が昨年11月に策定した「仙台市復興計画」は、本文56ページの復興計画である。

 仙台港の南の沿岸部は平野が広がっており、津波を遮るものがほとんどなかったことから、堤防を越えた津波が数キロ内陸の仙台東部道路まで達し、広範囲で市街地が流され、農地が水没した。また、低地の防災林の松の根が浅かったため、多くの松の大木が流失し、かえって津波の被害を拡大してしまった。

津波で漂流した松と全滅した荒浜地区から海岸線を望む(仙台市・2011年5月)

 この反省から、海岸堤防の強化、防災林の嵩上げ、丘のある海浜公園、海岸沿いの県道の嵩上げなどによる多重防護をはかり、県道より海側の地域の大半は建築禁止とし、農地や公園に利用することとしている。この結果、津波で全滅した荒浜地区などの海岸沿いの市街地は、県道の陸側に集団移転させることになる。

 仙台市は宅地化に適した郊外の平野部が広いので、被災地に再び住まわせるリスクとコスト、住民の精神的な不安を考えれば、安全な土地への集団移転に、大きな不合理はないように思われる。

石巻市の復興計画

 「石巻市震災復興基本計画」は昨年12月に策定された本文126ページの復興計画である。

 石巻市は今回の震災により市町村単位で最大級の被害を受けた。全戸数の7割の5万棟余りが被災し、2万棟余りが全壊、震災廃棄物は400万トン以上で、これは岩手県全体を上回っている。

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「なぜ東北の復興は進まないのか」のバックナンバー

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「横並びの計画、市街地の復興を阻む壁」の著者

石渡 正佳

石渡 正佳(いしわた・まさよし)

千葉県県土整備部用地課土地取引調査室長

1958年千葉県生まれ。産廃Gメン時代に出版した『産廃コネクション』(2002年)が2003年「日経BP・BizTech図書賞」を受賞した。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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