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エコ住宅は本当にエコなのか?

資源をムダに使って環境性能を自慢するのは本末転倒

2012年10月11日(木)

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3回のシリーズで構成する「なぜ東北の復興は進まないのか」。1回目の「横並びの計画、市街地の復興を阻む壁」では、各被災地の復興計画を一つずつ検証し「ゾーニング」の重要性を指摘。2回目の「復興はスーバーゼネコンに丸投げしたほうがいい」では、不透明な取り引きを生むばらばらな工事発注より、むしろ、スーパーゼネコンに丸投げしたほうが効率的で透明性が高いと主張した。3回目の今回は、復興でも掲げられるスマートシティーの問題点と、本当に災害に強い住宅とは何かを考える。

 全滅した東北沿岸部の復興の方向性として、スマートシティーやスマートコミュニティーを提唱する識者は珍しくなく、被災自治体の復興計画にとっても、スマートコミュニティーや再生可能エネルギーの活用は復興計画の定番メニューになっていると言っていい。しかし、日本のスマートシティーは、あれもこれも詰め込みすぎてスマートではなく、早くもガラパゴス化(特殊進化)している感が否めない。

全滅した閖上地区と建設中の仮設焼却炉(名取市・2012年3月)

 日本のスマートシティーは、太陽電池か燃料電池もしくは両方を備えた一戸建てエコ住宅と、住宅用蓄電池として十分な性能を持つPHV(プラグインハイブリッド車)かEV(電気自動車)の組み合わせ、風力、太陽光・太陽熱、地熱、バイオマス、小水力、コジェネレーションなど、あの手この手の再生可能エネルギーによるオンサイトの中小発電所、そして従来の原子力や火力などの大規模発電所からの系統電力からなっている。逆潮流となって干渉しあう、これら大小さまざまな電源によって送電が不安定になるのを避ける必要がある。

 このため、各需要先、各電源の電力量と位相をリアルタイムに制御するスマートグリッドという、現状で思いつく限りの技術を全部網羅した発想であり、天才的なシンプルさとは対極にある。

本当のエコ住宅とは

 ここで疑問なのがエコ住宅と呼ばれる一戸建て住宅だ。外壁内壁の分厚い断熱材と二重窓サッシ、高気密性、太陽電池、燃料電池、蓄電池、ヒートポンプ、地下水循環、自然換気、壁面緑化、散水設備など、ありとあらゆるハイテク装置で限界まで環境性能を高めた優等生的一戸建て住宅を、大手住宅メーカーから自動車メーカー、ベンチャー企業、NPOまで競って開発し、各省庁が競うようにエコ住宅設備に賞や補助金やエコポイントを与えている。

 日本人好みなのかもしれないが、こんなエコ住宅がほんとうにエコなのだろうか。全部揃えると設備代に1000万円かかるかわりに、月数千円の電気代がタダになるか、もしかすると電気を数千円で売れるというが、とても元は取れない。

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「エコ住宅は本当にエコなのか?」の著者

石渡 正佳

石渡 正佳(いしわた・まさよし)

千葉県県土整備部用地課土地取引調査室長

1958年千葉県生まれ。産廃Gメン時代に出版した『産廃コネクション』(2002年)が2003年「日経BP・BizTech図書賞」を受賞した。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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