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年間550億円の放映権でも「安い買い物」

スポーツ専門CATV、ESPNとメジャーが結んだ大型契約の中身

2012年10月12日(金)

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 前回まで3回にわたって球団経営の現場に関わるキーマンに話をお聞きしてきました。今回からは通常フォーマットに戻りプロ野球発展のための問題提起をしていきたいと思います。

 今回は放映権に注目してみましょう。この連載の3回目「メジャーリーグを拡大させるリーグビジネスの中身」で、メジャーリーグ(MLB)がリーグ一体となって手がけるさまざまなビジネス戦略を紹介しました。その大きな柱の1つとしてピックアップしたのが、テレビ放映権です。記事にあるとおり主要放送局との放映権契約は2013年まで。ちょうどこの夏、2014年以降の契約更改交渉が行われました。何とそこで出てきたのは放映権料が右肩下がりの構図にある日本では考えられない大型契約でした。

ネット中継を含めた包括契約で倍額に

 MLBはこれまでテレビ放映権を全米4大ネットワークFoxのほか、スポーツ専門ケーブルテレビ局のESPN、TBS(ターナー・ブロードキャスティング・システム)と契約を結んできました。報道によればFoxとTBSの両社合わせて2007~2013年までで30億ドル。ESPNは2006年~2013年までで23億6800万ドルと言われています。

 3社のうち最初に契約更改の報道があったのがESPNでした。何とその金額は2014~2021年までの8年間で56億ドル(推定、以下同)。年間にならすと7億ドル(約550億円)という、これまでの契約のほぼ倍額に高騰したのです。この記事を書いている時点ではFoxとTBSの契約については正式なアナウンスがありませんが、ほぼ倍近い金額で契約更改に合意する見込みという報道が出ていますので、全社ほぼ倍増の放映権契約を結ぶと見て間違いなさそうです。

 ESPNの契約内容を見ると、これまでの米国国内でのTV放映権にくわえ、海外放映、ラジオ中継、さらには動画ストリーミングなどのネット放映権を含んだ内容となっています。金額が倍増したのは、国内のテレビ放映権自体が値上がりしたこともありますが、その他、ネット中継権を含んだ包括契約となっていることが大きな要因と推測されます。おそらくFoxとTBSの契約についても同じような構図と考えて良いでしょう。

 MLBのこうした商売のやり方を見ていて気づかされるのは、1つには「大局を見ている」ということです。大型包括契約にはネット中継が含まれています。一方でこのビジネスは、リーグが共同出資で設立したMLBアドバンスト・メディアが独自の事業として展開しています。テレビ局にその権利を販売するということは自ら競合相手をつくることになり、一見すると自らの商売の首を絞めているように思えます。しかし、私はむしろMLBはベースボールの露出機会を増やすことで、その商品価値がより高まるという戦略を描いているのではないかと推測するのです。

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「年間550億円の放映権でも「安い買い物」」の著者

並木 裕太

並木 裕太(なみき・ゆうた)

フィールドマネージメント代表取締役

2000年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社後、最年少で役員に就任。2009年株式会社フィールドマネージメントを設立。日本一の社会人野球クラブチーム「東京バンバータ」の球団社長兼GMも務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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