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“真意”はどこに? 衝撃に惑わされた「南海トラフ巨大地震」被害想定

「とにかく逃げろ!」。このメッセージだけで死者数8割減

2012年10月15日(月)

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 前回まで4回にわたって、切迫性が高まっている首都直下地震「東京湾北部地震」にスポットを当て、丸の内エリアを歩きながら防災・危機管理の必要性を説いた渡辺実氏。しかし9月某日、渡辺氏が姿を見せたのは東京ではなく、静岡県下田市だった。

 この地を訪れた理由は、8月29日に内閣府が「南海トラフ巨大地震」の被害想定を明らかにしたからだ。死者は最悪32万3000人、津波は最大34メートル。新聞やテレビがこぞって取り上げた、過去の被害想定を10倍以上も上回る数字の数々。それほどまで巨大な地震は、本当に起こるのか? この数字の意味するところは? 渡辺氏に直撃すると、意外な答えが返ってきた……。

 2012年9月某日、防災の鬼こと渡辺実氏が率いる“チームぶら防”は、静岡県下田市にいた。日本随一のオフィス街丸の内から、舞台は一転、伊豆南端の港町へ。日本はどこへ行っても、海、山、川、自然の3点セットが身近な場所は心地いい。

 「いやぁ、急に呼び出してすまないね」と、伊豆急行線の「スーパービュー踊り子号」から降りてきた渡辺氏。改札を抜けた途端、「首都直下地震の話はまだたくさんあるんだけど、急きょ、ここ下田で語らなければいけないことができた」と言いながら、厳しい目つきになった。次の瞬間、周りを見渡して違和感があったのか、「んっ? そういえば、何か人数が少ないな。学生たちはどうしたの?」と声を上げる。

伊豆急下田駅に到着した。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏。改札口で待っていたのは、いつもの学生たちではなかった……

 確かに今回は丸の内を一緒にぶらぶら歩いた、国際ボランティア学生協会(IVUSA)の活動に参加している岩村さんたちの姿が見えない。待ち受けていたのは執筆担当のライターH(原)と、カメラマン兼防災の鬼のお目付役のプロデューサーSのみだ。

前回までの丸の内編では同行した岩村さんたち。今回は一転して渡辺氏の独白となる

 「なんだ、若い子たちはいないのか。防災に関する私の知恵と知識を“遺言”として、次の世代へと残したいというのに……」と残念がる渡辺氏。その姿を見ていた、プロデューサーSから「学生たちだって、そうそう暇じゃありません。本日は大学のゼミのため欠席です。若けりゃいいってもんでもないでしょ。“R60、R50、R40”のオッサン3人で、下田の街をぶらぶらしながら防災について語るのも、なかなかいいものですよ(笑)」と事情が語られた。

 「……まあ現役の大学生だから、学業が最優先でも仕方がない。よし分かった、じゃあ今回は、君たちや町の人たちを想定読者として、防災の話を語っていくよ」といって伊豆急下田駅を飛び出した。

伊豆急下田駅へと降り立った防災の鬼。緊急取材として、ここ下田にぶら防スタッフを招集した理由とは……

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「渡辺実のぶらり防災・危機管理」のバックナンバー

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「“真意”はどこに? 衝撃に惑わされた「南海トラフ巨大地震」被害想定」の著者

渡辺 実

渡辺 実(わたなべ・みのる)

防災・危機管理ジャーナリスト

株式会社まちづくり計画研究所代表取締役所長、日本災害情報学会理事、NPO法人日本災害情報サポートネットワーク理事長。国内外の災害現場からジャーナリスティックな提言を行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官