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イー・アクセス買収で考えた「会社の売買は、社員の売買なのか」

  • 田代 真人

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2012年10月12日(金)

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 先日のソフトバンクがイー・アクセスを子会社化したニュースには驚いたとともに喝采をあげたソフトバンクのiPhone5ユーザーも多かっただろう。業界筋では、以前から囁かれていたらしいが、iPhone5に背中を押されたかっこうのこのタイミングは逆にソフトバンクが切羽詰まった印象も感じられた。

 今回のこのコラムでは買収自体の評価は他のブログなどに譲るとして、会社の売買が会社と社員に与える影響について考えてみよう。

企業買収の夢と罪

 企業買収の場合、より動揺が大きいのは、当然買収される側だ。買収するほうが主導権を持つので、給与から勤務体系、文化などすべてが変わっていくおそれがある。

 今回のソフトバンクによるイー・アクセス買収に関しても最も驚いたのは当の社員たちだ。今回のように時間をかけずにトップシークレットで進められた企業買収は、当然社員に前もって知らされる暇はない。最も影響を受けるにも関わらず、社員にとって企業のM&A(Mergers and Acquisitions)、合併や買収は青天の霹靂。今後なにが変わるのか不安になることも多い。

 しかし、今回は吸収合併ではなく買収だ。ソフトバンク自体は、社員175人の純粋持ち株会社なので、基本的に事業はすべて子会社がおこなう。その子会社の一員としてイー・アクセスが加わるということになる。

 日本経済新聞によると「ソフトバンクは今後、イー・アクセスに取締役を2人派遣する。イー・アクセスの千本倖生会長ら現経営陣の処遇は未定としている。『イー・モバイル』の通信サービスやブランドは継続する」とのことなので、すぐに仕事環境が変わるということはないのだろう。

 ただ、役員の派遣などもあり、両社とも「挑戦モードの会社」(千本倖生イー・アクセス会長)と、似ている体質とはいえ、徐々にソフトバンク色に染められていくのは間違いない。通常、買収では企業自体が残るので、いままでどおりの仕事をやっていく場合がほとんど。給与に関しては、買収した会社に準じて変更されることが多いが、今回の両社は同じような給与水準のようだ。

(参考資料:ソフトバンクイー・アクセス

 給与があまり変わらないのであれば、ひとまずは安心だ。しかし、企業には各々企業文化がある。買収した側は、それなりに子会社へ自社の企業文化を伝えようとすることだろう。その文化に被買収社員が戸惑うことは往々にしてある。

企業買収のメリット

 今回ソフトバンクがイー・アクセスを買収したのは、各メディアで伝えられているようにiPhone5発売に際して逼迫したLTE(Long Term Evolution=ロング・ターム・エボリューション)の帯域を拡充するためだ。まさに自社の足りない部分を補ってくれるイー・アクセスのもつ帯域は喉から手が出るほど欲しかったものだ。

コメント1件コメント/レビュー

一般的には企業買収で買われた側は買った側の支配を受け、企業文化も買った側のものに染まって行くのが一般的ではある。今回のソフトバンクによるイーアクセス買収は同業の規模拡大が基本なので尚更だろう。然し、世の中で多く行われる様になったM&Aでも、「買われる側」の企業文化が本体に影響を与える例もある。買われた側の社員の意識次第なのだろう。大きな会社の一部になった事により、自分達の「活躍の場が広がった!」と考え、それを許容する社風があれば、この買収は大成功と言える。例えば4、5位合併で市場占有率を単純に足し合わせると3位を飛び越えて2位に浮上するケースでも、1年後には3位に落ち込んでしまう場合と、合併によるメリットを生かして一気に首位に躍り出る、という事も考えられる。残念乍ら日本で多いのは前者ではないだろうか。元の会社の人脈がそのままで、何時になってもお互いの良さを吸収出来ない。役員の数も常に両派閥のバランスを考えた割り振りに、てな具合だ。業績拡大の為にM&Aを行ってもその会社の長所は取り入れる柔軟さが無いと失敗し、「高い買物」という評価になる可能性が高い。結局は経営者の経営姿勢次第と言う事だろう。(2012/10/12)

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一般的には企業買収で買われた側は買った側の支配を受け、企業文化も買った側のものに染まって行くのが一般的ではある。今回のソフトバンクによるイーアクセス買収は同業の規模拡大が基本なので尚更だろう。然し、世の中で多く行われる様になったM&Aでも、「買われる側」の企業文化が本体に影響を与える例もある。買われた側の社員の意識次第なのだろう。大きな会社の一部になった事により、自分達の「活躍の場が広がった!」と考え、それを許容する社風があれば、この買収は大成功と言える。例えば4、5位合併で市場占有率を単純に足し合わせると3位を飛び越えて2位に浮上するケースでも、1年後には3位に落ち込んでしまう場合と、合併によるメリットを生かして一気に首位に躍り出る、という事も考えられる。残念乍ら日本で多いのは前者ではないだろうか。元の会社の人脈がそのままで、何時になってもお互いの良さを吸収出来ない。役員の数も常に両派閥のバランスを考えた割り振りに、てな具合だ。業績拡大の為にM&Aを行ってもその会社の長所は取り入れる柔軟さが無いと失敗し、「高い買物」という評価になる可能性が高い。結局は経営者の経営姿勢次第と言う事だろう。(2012/10/12)

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