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意思決定のやり方。経験や知識よりも大事な軸が「倫理」

2012年10月25日(木)

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 ビジネス上の岐路にいる時、右に進むか左に進むか、決定しなければなりません。何を根拠に決めるのか、何をよりどころに決めるのか。その人の能力が問われる瞬間です。

 経験や知識も必要です。感性も度胸も必要です。しかし、それに匹敵するほど、大切なものがあります。それが倫理です。道徳でありモラルです。決定学では避けることのできない「倫理」について、述べたいと思います。

企業利益を犠牲にして、公共利益を優先した決定

 以前、私がコンサルタントを担当した事業がありました。それは、公共事業でした。新設道路の計画路線上、谷を橋梁で渡らなければならない所がありました。その橋梁の形式、規模、安全性、施工方法などを計画し、設計し、図面を作成し、工事費の見積りを行う業務です。これまでも、多くのこういった事業を担当しておりました。

 検討を進めていたところ、ある可能性が出てきました。それは、すこし道路の計画を変更するだけで、橋梁ではなく、盛土で谷を通過することができるかもしれないということです。つまり谷を少し埋める方法です。この方が、早く、安くできる可能性がありました。
 私は、この可能性を提案するかどうかの決定を迫られたのです。なぜかと言うと、本来は橋梁として受注しているため、契約内容の見直しが発生します。見直すと、明らかに契約額の大幅減となります。企業として売り上げを考えて、契約通り橋梁で進めるか、客先・納税者のことを考えて、契約そのものの見直しを提案するか、の決定です。

 私は、契約そのものの見直しを提案しました。もちろん、会社に確認を取ってからです。自社、自部門の利益よりも、公益を優先しました。その後、自部門の利益目標の達成のために、新たな努力が必要だったことは付け加えるまでもありません。

技術士としての決定の倫理

 私は、技術士という国家資格を、2部門保有しています。この技術士とは、科学技術に関する高度な知識と応用能力が認められた技術者で、科学技術の応用面に携わる技術者に与えられる権威のある国家資格です。そして、「技術士法」により高い技術者倫理を備えることが責務です。それは、『技術士倫理綱領』(日本技術士会)に整理されています。
 その前文には、次のような文章があります。「技術士は、科学技術が社会や環境に重大な影響を与えることを十分に認識し、業務の履行を通して持続可能な社会の実現に貢献する。」当たり前のことです。逆を言えば、明文化しなければならない状況があるとも言えます。

この『技術士倫理綱領』を一部、抜粋します。

(公衆の利益の優先)

 1.技術士は、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮する。

(持続可能性の確保)

 2.技術士は、地球環境の保全等、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努める。

(真実性の確保)

 3.技術士は、報告、説明又は発表を、客観的でかつ事実に基づいた情報を用いて行う。

(公正かつ誠実な履行)

 4.技術士は、公正な分析と判断に基づき、託された業務を誠実に履行する。

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「意思決定のやり方。経験や知識よりも大事な軸が「倫理」」の著者

横田 尚哉

横田 尚哉(よこた・ひさや)

ファンクショナル・アプローチ研究所

顧客サービスを最大化させる経営改善コンサルタント。米GEの価値工学に基づく改善手法を取り入れ10年間で総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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