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第14話 高額商品も安く感じる瞬間を演出

これが訪販 勝負の舞台 『上がり込み』その(1)

  • 弓飾 丸資

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2012年10月26日(金)

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 これまで数回にわたり私の班に属した「アポマン4人の侍」たちの数奇な人生と奇想天外のセールステクニックを紹介してきた。ここからはいよいよこの訪問販売セールスのクライマックス、クローザーによる『上がり込み』へと舞台を移していきたい。

※編集部註 アポマン、クローザーは訪問販売のチームの役割の名称。詳しくは最初からお読みください。

 このセールス・フォーメーションでは原則1人のクローザーにアポマンが3人と決められていた。しかし私は例外的に前述した4人のアポマンをチームに入れることを許されていた。この外壁用リフォーム材販売のセールスには都合3年間就いていたのだが、そのうちこの4人とは1年7カ月という長い期間を共にしたことになる。

笑いが止まらぬほど儲かった

 「ねェ奥様、お願いしますよ!」の吉田さんが例の競艇で月の半分くらいは仕事を堂々と休んでしまうのは前述した通り。オカマの小林さんも「隙あらば」読書とパチンコ三昧で、これも月の半分くらいしか働かない。「チビゴジラ」こと松井さんも真面目に毎日お客宅の訪問に出かけるものの、仕事の訪問は半分、半分は女性目当てのナンパに出かけているだけである。それぞれ腕利きのセールスマンに違いは無いのだが、正直お休みが多過ぎる。これでは我が班は常に実働半分になってしまうのだった。

 そこでクビ寸前の竹田君を、不安のあるまま統括部長に無理を言って譲り受け、実働半分の我が班を、竹田君の後遺症からの脱却再生で、喝を入れられればと企らんだのである。それがあの通りマサカマサカの大化けで、竹田君個人も班の売り上げ成績も一挙に最上位を走ることになったのだ。

 ほぼ毎日『客電』を取ってくるアポマン竹田君、また半分の働きだといっても、自分達の必要な金の分だけは必ず『客電』を取って来る松井・吉田・小林さん等の腕利き連中。そうなれば連日「上がり込み」が続くクローザーの私は、もうてんてこ舞である。しかしその結果、4人が上げる売り上げからの歩合の全てから折半で頂くことの出来た私は、懐具合の方も本当に笑いの止まらない結構な状態であった。

 他の班に比べ私の班は、「好きに遊ばせる馬なりの3人」と、「呪いの脅迫?」が効いて励む竹田君だから、自分から辞めて行く者はおらず、アポマンの定着率は100%状態。売り上げも高水準を連続推移したため、社内のヤッカミの目が日に日に激しくなって行った。

 しかしそこは元来「卑屈」な私のこと、最大権力者の統括部長には「マイナイ」を送ることを決して怠らない。統括部長に多大のご好意を戴いている2人、即ち竹田君・吉田さんが上げる毎月の売り上げの一つ分ずつから入る私の歩合を、そのままスルーしていたのだ。

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