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「この現場が会社を食わせてやっているんだ!」おごるクリエイターたちの暴走

クリエイター企業を組織的に動かす(1)

2012年10月25日(木)

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 オーケストラの演奏においては、アンサンブル(合奏)のための協調関係が大切である。同時にピア・プレッシャー(同僚から受ける刺激や圧力)による競争意識も重要とされている。要は同僚たちとコンテンツを作り上げるためには、協調関係が必須なことはもちろん、芸術(作品作り)においてすらピア・プレッシャーなる牽制機能が必要なのである。

「現場がほかの社員を食べさせているんだ!」で暴走

 クリエイター企業では成果をリアルに見たり感じたりできるため、クリエイターの自信の現れからか自分たちが一番であり、クリエイター部門や営業部門が本社(本部)や管理部門を食べさせているという意識が強くなりがちである。これが行き過ぎると相応のリスクとなって跳ね返ってくる。つまり、「この現場こそがほかの社員を食べさせている」のだから、クリエイターは企画を自由に考えているだけでよい、売れるものを作っていれば構わないと言った考えになると、無理な開発や営業に歯止めがかからなくなるのだ。

 そして、牽制係である本部や管理部門に対する過度な軽視が全体バランスを崩し牽制の意味を失うことになる。また私自身が契約書、法務業務を通してクリエイターとつきあい、肌で感じたことがある。

 それは、クリエイターは「先にリスクを想定して、発生時のリスクをミニマムにすることがなかなかできない」ということだ。クリエイター自らは開発すなわち前進することを軸に考えているので、後ろ向きでもあるリスク想定を苦手とすることは十分に理解できる。そもそもアイデアマンである彼らにとって、問題は発生した都度に対処すれば構わないというのが癖になっており、リスク想定という発想自体がない場合もあった。

 そのため、それらのリスクが一切可視化されておらず、クリエイター以外の人間は気がつき得ない状態になりがちなのだ。これは、経営側としては非常に危険なことである。

 そこで、クリエイターが関与する主要業務については彼らが所属するチーム内において、クリエイター兼サブリーダーに位置する人材を設置して牽制が効く体制にしておく必要がある。

 個人のスキルが重視されるクリエイターの世界ではマネジメントをこなす人材の育成はなかなか大変であるが、そもそも棟梁が倒れたらそのプロジェクトが立ち行かなくなるようでは困る。ここは社内にいなければ他社での経験者を採用してでも、実力のある人間を据えて2人体制にし、ある程度の議論や牽制が喚起される仕組みにしたほうがよい。

 先のオーケストラのピア・プレッシャーの活用である。このような体制をとらなかった故に人的リソースが偏り、仕事の最適配分がなされないまま、業務が個々のクリエイターに張りついた結果、ハイパフォーマーの退社や人手不足で立ち行かなくなったクリエイター企業をいくつも見てきた。

「2番手」こそが鍵

 実際ハイパフォーマーが辞めるとやむなくチーム内の2番手を急遽リーダーに登用する。時には、この2番手にリーダー昇格故の昇給などもしたりする。これがチームの反発を招くばかりか、組織弱体化につながるのだ。そもそも急遽2番手を登用しても所詮急ごしらえにリーダーを用意した訳なので1番手の代替には当然ならない。

 また、1番手と同様のスキルの人材を登用(採用)しない時点で、チームの生産性は落ち、組織としての弱体化も始まる。更には、このような応急措置によって2番手より更に下位のクリエイターのモチベーションが下がり始めるのだ。これまでも、このような状態に陥って3番手以降が次々退社するケースもよく見てきた。2番手の能力不足故に3番手以降が業務過多になり体調不良になったり、2番手と3番手がライバル関係にあり、タナボタ的に昇格した2番手を3番手が認めずモチベーションが下がったりするのが、その理由である。

 従って、チーム内には有能なサブリーダーを担うことができる2番手を常に確保して組織に緊張感を持たせることが大切である。

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