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QE3に期待できない理由

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2012年10月23日(火)

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バーナンキFRB議長が9月13日、量的金融緩和第3弾の実施を発表したが効果は期待薄だ。大規模な財政出動とともに行ったQE1、QE2と異なり、米政府は緊縮策へ舵を切る。金利は既に低く、他国も緩和策を実施しているため、ドル安効果も限られるからだ。

 米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)に踏み切ったのに伴い、重要な疑問が3つ浮上している。

 第1はQE3によって、「貧血気味」の米経済の成長を即、加速できるのかという疑問だ。第2はその場合、リスク資産、つまり米国を含む世界の株式市場に持続的な上昇基調をもたらすのか、だ。第3は、GDP(国内総生産)成長率及び株式市場に与える影響は、QE1及びQE2と同じなのか、それとも異なるのか、という疑問である。

規模、期間で従来を上回るQE3

ベン・バーナンキFRB議長はQE3に踏み切ったが、米国が今年末から「財政の崖」に直面すれば効果は限られる(写真:ロイター/アフロ)

 QE3は、QE1やQE2及び昨秋導入された債券購入プログラム「オペレーション・ツイスト」を上回るほどではないにせよ、リスク資産に強力な影響を及ぼすとする見方は多い。

 実際、これまで導入された金融緩和策は株価の持続的な上昇をもたらしてきた。QE3は従来の緩和策を規模、期間のうえで上回る。だが、積極的な金融緩和を続けるというFRBの断固たる姿勢にもかかわらず、QE3の実体経済や米国株への影響は、従来の緩和策に比べはるかに小さく、効果も長続きしない可能性がある。

 例えば、次のような要因について考えてみてほしい。まず念頭に置く必要があるのが、QE1やQE2が導入された時点では、株式のバリュエーション(評価の水準)も企業の利益水準も現在よりはるかに低かったという点だ。

 S&P500種株価指数は2009年3月に660まで下落、米国企業及び銀行のEPS(1株当たり利益)は金融危機発生後の最低水準に落ち込み、PER(株価収益率)は1ケタ台にすぎなかった。だが、S&P500種株価指数は当時の水準から倍以上値上がりし、現在は1430近辺にある。平均EPSも100ドル近くに達し、PERは14倍を超えている。

 2010年にQE2が実施された時でさえ、S&P500種株価指数やPER、EPSは現在の水準を大幅に下回っていた。十分あり得ることだが、QE3の導入にもかかわらず米国の経済成長が上向かなければ、米企業の業績は落ち込み、株式のバリュエーションには下押し圧力がかかるだろう。

 しかも、今回は財政刺激策を期待できない。QE1とQE2によって米国がいずれの場合も深刻な景気後退と二番底を免れたのは、同時に大規模な財政出動が行われたからだ。ところがQE3の場合、反対に米政府は緊縮財政に踏み出す意向で、今後場合によっては「財政の崖」すら待ち構えている。

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