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日銀よ、「“希望”リポート」を放て

市場が期待する「ハロウィーン緩和」の中味とは?

2012年10月29日(月)

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 日銀はあす30日、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表する。今年2月14日の「バレンタイン緩和」の際、事実上のインフレ目標となる「中長期的な物価安定の目処」を導入して以降、金融政策を担う日銀自身が先々の物価をどう見通すかに対し、市場の注目度は最高潮に高まっている。

日銀の玄関先に押し掛ける政治家たち

 今回の展望リポートに対する最大の関心事は、初めての公表となる2014年の物価見通しだ。消費者物価(CPI)上昇率の先行きについて、日銀は最近まで「2014年度以降、遠からず1%に達する可能性が高い」としてきた。このことは、「当面は1%」という物価安定の目処を、早ければ2014年にも達成する蓋然性の高さを示したものだった。

 ところが、日銀は9月19日、大方の意表を突いて、国債の買い入れ額増加を柱とする追加金融緩和を決定。このとき、白川方明総裁は「10月の展望リポートを待たずに一段の金融緩和が必要と判断した」と明言した。その後、今月4~5日の会合では追加緩和を見送ったものの、白川総裁は「(9月会合の時点で)景気、物価の基本シナリオを明確に下方修正した」と打ち明けた。

 最近の白川総裁は「当面、ゼロ%近傍で推移する」(22日の日銀支店長会議でのあいさつ)と発言するなど、2014年度の物価見通しが「1%」に満たないことは確実視されている。

 日銀自身が物価見通しを下方修正し、物価安定の目処の達成がなお見通せない以上、日銀は自らの判断で金融緩和を強化せざるを得ないということを、市場はすでに織り込み始めている。2月の「バレンタイン緩和」に続き、10月末に向けて街中で盛り上がりを見せるイベントを重ね合わせ、市場参加者は「ハロウィーン緩和」と名付けて期待を募らせている。

 政治サイドからのプレッシャーもさらに大きくなっている。野田佳彦首相が17日に開いた臨時閣議で、関係閣僚に緊急経済対策の策定を指示したことを受け、日銀にも政策の足並みを一層そろえるよう圧力をかけた格好だ。

 もっとも、指示した対策のうち、19日に締め切られた第一弾の事業規模は国と地方の財政出動を合わせ7000億円台。中小企業向けグループ補助金の増額や老朽化校舎の改修など、およそデフレ脱却や円高阻止に即効性のある対策とは言い難い内容だ。

 結局のところ、目先の景況感を支える役回りが、引き続き日銀にゆだねられる構図に変わりはなさそうだ。今月5日の日銀金融政策決定会合に閣僚として9年半ぶりに出席した前原誠司・経済財政相が再度、会合の場に直接プレッシャーを掛けに来ることも考えられる。

 「もっと積極的に金融緩和をしないと、日銀法を改正するぞ」。

 円安を促す効果をもたらしたバレンタインデーの贈り物を野田政権へ送ったはずの日銀の玄関先には、政策運営能力を逸した懲りない政治家たちがゾンビに扮して押しかけようとしている。

政治サイドからの次のプレッシャーに日銀はどう応えるか?

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「日銀よ、「“希望”リポート」を放て」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長